“育成のアニキ”として後進の目標であり続ける。ソフトバンクの牧原大が16日、福岡県小郡市内で自主トレを公開し、シーズンのフル稼働を誓った。
昨季支配下昇格の緒方に加え、育成内野手の西尾、藤野、山下、中沢が参加。牧原大がファームの首脳陣を介して育成選手に呼びかけ。手を挙げた選手を集めた。「自分が引っ張っていかないといけない、ということは思っています。目標とする選手がいるのといないのとでは練習の取り組みも変わってくる。“こうなりたい”と思ってもらえるような選手になれれば」。
育成同期に現メッツ・千賀と巨人へFA移籍した甲斐がそろう黄金世代だが、残るのは牧原大だけとなった。1学年上で33歳の石川柊もロッテにFA移籍し、育成出身の最年長主力選手にもなった。
過去には背番号3桁の後輩に苦言を呈してきた。今回の4人にも「甘いですね。本人たちはやっているつもりでも(自分が練習を)止めるくらい貪欲に取り組んでほしい」と口にする。さらに「僕からは言いません。何かあれば聞いてきてくれと伝えてます」。目をギラつかせた若手の台頭に期待を込めた。
昨季は二塁のレギュラーで開幕を迎えながら右脇腹を痛めて78試合に出場にとどまった。「まずはケガをしないこと。それがすべて。1年間、戦い抜く体力をつくる」。松田宣浩氏(本紙評論家)のメニューを引き継ぎ自主トレはグアムからスタート。走り込みなどで徹底した体力強化に取り組み、ウエートトレも重点的に行う。
22年は打率・301をマークしたが、規定打席に2打席足りなかった。故障せずに初の規定をクリアし、打率3割超えとなれば育成選手では史上初となる。それは後輩育成選手への最高の模範だ。(木下 大一)