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イチロー氏の殿堂入り 満票逃した理由が「感情論」なら残念

スポニチアネックス 2025年1月17日 4時30分

 ◇イチロー氏 野球殿堂入り

 【記者の目】なぜイチロー氏は満票にならなかったのか。投票資格は野球取材15年以上の記者。投票用紙には最大7人まで記入できる。自分はもちろん、一番上にイチロー氏の名前を記したが、349人のうち26人が希代の天才打者の名前を書かなかった。

 王貞治氏は「中には“へそ曲がり”もいるんだ」と話した。記者個々の感情が邪魔をしたのか。イチロー氏は現役時代「メディアと選手は戦っている」と、なれ合いではなく記者側にも強いプロ意識を求めた。独特の緊張感が漂う現場で、その姿勢が結果的に「塩対応」となり反感を抱いた記者もいるだろう。ただ、そんな「感情論」で投票しなかったとしたら残念だ。

 日本だけの成績にこだわった可能性もある。イチロー氏は日本時間22日発表の米国野球殿堂入りも確実で、その際にNPB時代の実績は考慮されない。ならば日本の殿堂ではオリックスでの成績を重視すべきでは、という考えだ。イチロー氏は94年から7年連続首位打者の一方、NPBだけなら1278安打にとどまっている。

 ただ、投票に際して日米どちらの成績を重視するかなどの規定はない。候補者の野球人生全てが対象だ。日本ハムで42勝&48本塁打だった大谷翔平、ロッテで29勝の佐々木朗希も海の向こうでさらに数字を伸ばすだろう。その上で将来、堂々と日本の野球殿堂に入ってほしいと切に願う。(野球殿堂競技者表彰委員会幹事、専門委員・鈴木 勝巳)

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