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新井宏昌氏 イチロー氏は引退後も「言うだけでは終わらない信念を感じる」

スポニチアネックス 2025年1月17日 4時28分

 イチロー氏が210安打を記録した1994年にオリックス打撃コーチだった新井宏昌氏(72)が祝福の声を寄せ、指導者として今後の活躍を期待した。

 仰木彬監督に誘われて94年にオリックスの打撃コーチに就任したのが、イチローとの出会いだった。あれから30年以上。彼には当時も今も驚かされてばかりだ。

 94年のキャンプの段階では、まだ1軍半という位置付けだった。でも一目で「これはいい」とうならされた。取り組んだのは振り子打法で、体勢が崩されないように右足を強化すること。それだけで十分だった。開幕前には仰木監督に「登録名イチローでいきましょう」と提案した。「鈴木」だけでは打撃30傑でも目立たない。当時は近鉄に鈴木貴久、西武に鈴木健ら同姓の選手がいた。誰もが分かる選手にするための「イチロー」だった。本人は当初難色を示していたと聞いた。仰木監督が説得。佐藤和弘の「パンチ」とセットで登録することでまとまった。

 引退してからも、彼は新たな野球人の姿を見せてくれている。高校野球の指導や女子野球の普及に精力的。凄いのは言葉だけで伝えるのではなく、手本となる動きを見せていること。そのためトレーニングを欠かさない。言うだけでは終わらない信念を感じる。

 米国での殿堂入りも果たすに違いない。将来的にはどこかの球団が強く求めたら、指導者としての勝負に挑む可能性はあると期待している。まだまだイチローには驚かされそうだ。(元オリックス打撃コーチ)

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