大相撲の横綱・照ノ富士(33=伊勢ケ浜部屋)が17日、東京・両国国技館内で引退会見を行い、冒頭で「私、照ノ富士は現役を引退し、年寄として後進の指導に当たります。みなさんありがとうございました。これからも頑張っていきます。よろしくお願いします」と語った。
引退決断するまでの経緯について「できる限りのことをやってきた。今場所、思うように相撲できなくなり、これ以上、中途半端な気持ちと体で土俵に上がれないと思い、決断した」と説明。
初場所に臨む心境について「体と付き合いながら、優勝できるという自信を持っていた。不安も感じてきた。最後まで自分がやれることをやってきた」と振り返った。
14年の現役生活について「良いときも悪いときもあったけど、たくさんの方に支えられてきた」と感謝の思いを口にした。
2場所連続全休明けで再起を目指した初場所は4日目の翔猿戦に敗れ、2勝2敗と不振。5日目から3場所連続24度目、横綱在位21場所で13度目の休場を発表していた。
23歳での大関昇進後、両膝のケガや糖尿病などにより序二段に転落しながら復活した強い精神力も力尽きた。優勝10度。親方となる条件の日本国籍は取得済みで、今後は親方として後進の指導に当たる。
◇照ノ富士 春雄(てるのふじ・はるお=本名・杉野森正山、モンゴル名・ガントルガ・ガンエルデネ)1991年11月29日生まれ、モンゴル・ウランバートル出身の33歳。相撲留学した鳥取城北から間垣部屋に入門し、11年5月の技量審査場所初土俵。部屋閉鎖で13年、伊勢ケ浜部屋移籍。14年春場所新入幕。15年名古屋場所新大関。17年九州場所で関脇に転落。5場所連続休場から19年春場所に序二段で復帰。再入幕の20年7月場所で幕尻優勝。21年夏場所で21場所ぶりに大関に復帰。同年秋場所から第73代横綱に昇進した。優勝10回。殊勲賞3回、敢闘賞3回、技能賞3回。得意は右四つ、寄り。1メートル92、180キロ。