ラグビー・リーグワン1部の神戸は17日、19日の浦安戦(ノエスタ)に向けて神戸市内で調整した。
同日にメンバーも発表され、前節相模原戦から先発9人を変更。ルーキーのWTB船曳涼太(23=京産大)が加入後初出場初先発する予定となった。チームが2連敗中と苦しい状況下で初めて出番が回ってきた。
「メンバーが発表されてから、ずっと緊張しているけど…。緊張せず、というのは難しいので、自分の思うように、ミスを恐れずにプレーしたい」
京産大では早くから頭角を現したが、3年時の6月に試合で左膝前十字靱帯断裂を負い、加えて半月板を損傷した。4年の終わりに「無理矢理、出た感じ」とコルツ戦で復帰したが、神戸加入後は再びリハビリ生活。復帰したのは今年8月で、完全復活に至るまで約2年2カ月を要した。
ただ、今季はプレシーズンから猛アピール。日本代表選手などBK陣に実力者が揃う中、第5節でスタメンの座を勝ち取った。切れ味たっぷりのランに加えてハイボールキャッチも持ち味。スタッフからは「今までの試合を評価してメンバーに選んだから思い切りやってこい」と伝えられている。
神戸市垂水区出身。阪神・淡路大震災を自身は経験していないが、兄を身ごもっていた母からは苦労した話などを聞いてきた。「そんなに被害は大きくなかったけど、長田の方から火の粉が飛んできたみたいです」。小学校の頃から1月17日には黙とうし、その日の大切さを感じてきた。
前日には神戸市中央区の東遊園地で行われた「阪神淡路大震災1・17のつどい」に参加。19日の浦安戦では特別にデザインされたジャージーを着用する。「神戸の街に生まれ育って、神戸の街一体で戦っている気持ちがあるので。次の試合をしっかり自分のプレーをしたい」。覚悟を持ってピッチに立つ。