レスリング男子グレコローマンスタイル60キロ級の文田健一郎(28=ミキハウス)が、パリ五輪で獲得した自身の金メダルを交換してもらう意向を示した。17日、横浜市にある母校の日体大健志台キャンパスで、五輪以来約5カ月ぶりに練習を再開。練習前には取材に応じ、「(交換を)考えています」と明かした。
エッフェル塔の部材の一部があしらわれたパリ五輪のメダルをめぐっては、大会期間中から劣化が激しいとの声が選手間で広がっていた。最近では地元フランスメディアの取材に、国際オリンピック委員会(IOC)が交換に応じると回答。すでに100個以上のメダルが返却されているという。
自宅で21年東京五輪の銀メダルと合わせて飾っているという文田は、「劣化のスピードが結構駆け足で…。センターのエッフェル塔の部分が、だいぶビンテージになっている」と状況を説明。反対の面も「色がはげちゃって、まだらになっている」と、世界中でクオリティが高いと称賛されている東京五輪のメダルに比べて、劣化が激しいことを明かした。
とはいえ、パリの表彰台で実際に首に掛けてもらい、家族や恩師、多くの関係者に触れてもらったメダルには思い入れもあるはず。それでも「世界に一つだけのメダルという思いもあったが、それを上回る劣化のスピードというか、気になるので」と吐露。交換したあかつきには、「コーティングをしてもらいたい」と家宝として大切に扱っていく意向を示した。