フジテレビの港浩一社長は17日、東京・台場の同局で会見を行い、タレントの中居正広の女性トラブル騒動に言及した。会見参加者が在京の一般紙やスポーツ紙、通信社などで構成されるラジオ・テレビ記者会に限定されていることについて、広報が説明した。
定例会見は当初2月下旬に予定していたが、前日の16日に17日に急きょ開催することを発表した。ラジオ・テレビ記者会は14日、会見を正式に要求。わずか2日間での決断となった。参加媒体は記者会加盟社で、記者会に加盟していないウェブ媒体や週刊誌などは参加できなかった。また、生配信などは行われなかった。閉鎖的な空間での会見に批判の声が上がっていた。
広報は「色々と会見の方策を考えたんですけど、総合的に判断して、記者会主催の定例の社長会見ということでやらせていただきました。もちろん皆さんから色々な意見を伺っていますので、今後のあり方については色々と考えていきたいと思います」と述べた。
記者会は「本日17日の定例社長会見に関して、記者会としてはオープンでの開催を求めましたが、フジテレビは通常の定例社長会見であるとして、NHKとキー局以外の参加を認めませんでした」と声明を発表。「記者会として会見開催を優先するため、フジテレビの主張を受け入れる形となったことを大変残念に思います」とした。
「他の記者クラブでは、時と場合に応じて加盟社以外の週刊誌、ネットメデイアなどの参加を認めています。今後の定例会見では、他のメディアの参加できるように定例社長会見のあり方を検討したいと考えます」と訴えた。
中居をめぐっては、女性に対して高額な示談金を支払うトラブルがあったことが昨年末に発覚。スポニチ本紙の取材では、トラブルは23年6月、中居と女性が2人で食事した後に発生した。女性はそこで「性被害に遭った」と主張する内容を勤務先に報告。その後、中居は代理人を立てて話し合い、慰謝料を含めた8000万~9000万円の示談金を支払って解決している。一部でこのトラブルに同局社員の関与も報じられていたが、同局は全否定していた。
また、16日発売の週刊文春では、中居の女性トラブル騒動に関連し、同局の現役女性アナウンサーが同局幹部が設定した中居との会食に参加させられたことがあると告白したことが報じられている。会食には、中居ともう1人別の男性タレントが参加。同局番組のスタッフらが酒や食事の配膳をしていたという。同誌は中居の女性トラブルの背景に、こうした会食の常態化があったと指摘している。
この幹部について、スポニチ本紙は中居の女性トラブル発覚前の昨年12月13日、フジテレビに質問状を送っている。その中で、被害女性と中居はこの幹部の紹介で出会ったのではないか、この幹部のセッティングで2人が参加した食事会があったのか、といった内容を確認したところ、同局は「ご質問は事実と異なりますので明確に否定させていただきます」との回答だった。ただ、女性アナを同席させて中居ら大物タレントを接待することが文春報道の通り常習化していたのなら、問題となっている中居の女性トラブルも同様の接待を経て起きている可能性があり、今回告白した現役アナが会食を経てから同様の被害に遭う危険性があったことは否定できず、フジの調査と見解が強く求められる状況となっていた。