シンガーソングライター平松愛理(60)が阪神淡路大震災復興支援のためのメモリアルライブ「1・17 KOBE MEETING~あれから30年~」(神戸煉瓦倉庫K―wave)を開催。満席120人のファンを前に「あの日失った尊いたくさんの命を無駄にしないためにも、毎日を切磋琢磨して一生懸命頑張っていけたらと思ってます」と語った。
チャリティーライブの収益金は震災&交通遺児支援施設「神戸レインボーハウス」(神戸市東灘区)、「東北レインボーハウス」(石巻市)と「やまもと語りべの会」(宮城・山元町)に全額寄付。。ライブ中に神戸レインボーハウス関係者に目録が目録が贈られ、10秒間の黙祷を捧げた。
平松は神戸市出身。須磨区の実家は地震で全壊したが、発災時は東京都内の自宅で就寝中。アマバンド時代の仲間ら友人、知人も亡くなった。地震発生から1カ月後、故郷・神戸の三宮の街を歩き、変わり果てた姿に驚がくし、震災に遭遇しなかったことを悩んだという。
街で出会ったボランティアの「歌で神戸のみんなを元気付けてください」との言葉がキッカケとなり、2カ月後に被災者支援コンサートを開催した。97年からタイトルを復興支援ライブに。発災から25年の2020年にひと区切りをつけたが、今回、被災地支援の原点に返って歌で追悼し、復興支援の思いを伝えたいと5年ぶりに「メモリアルライブ」とタイトル名を変えて復活、開催。この日は震災3カ月後にリリースした「美(うま)し都~がんばろや We Love KOBE~」(作詞・阿久悠、作曲・平松愛理)を客席と歌い、大ヒット曲「部屋とYシャツと私」、「北風と太陽~エピローグ」など13曲を熱唱した。
平松は自身が今やるべきことを「あの1月17日に神戸で起きたことを、被災体験のある方たちが、次世代や災害を知らない人たちへ語っていただくことをお願いすること」だとする。「大きな体験をわざわざ思い出して人に語るのは本当に厳しいことだと思います。この先の人生の中で、きょう私のが願いしたということをいつか思い出して下さればありがたいです」と来場してくれたファンへアピールした。