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大阪桐蔭・中野大虎 「火の玉ストレート」追求する実力派右腕 虎視眈々とエースの座狙う

スポニチアネックス 2025年1月18日 7時3分

 アマチュア野球の有力選手を調査する企画「スポニチ調査ファイル」の番外編。大阪桐蔭・中野大虎(だいと)投手(2年)は、阪神・藤川球児監督が現役時に代名詞とした「火の玉ストレート」を目標に掲げるプロ注目右腕。チームメートの最速153キロ右腕・森陽樹投手と切磋琢磨(せっさたくま)して進化を図り、夏の日本一に照準を合わせる。

 2025年のチーム始動日となった1月5日。大阪府大東市のグラウンドに、選りすぐりの精鋭たちが帰ってきた。その先頭に立つ主将として、中野は決意を新たにした。

 「終わり良ければ、すべて良しという言葉があるので、やっぱり夏の日本一。最後、一つに絞って、しっかり全員で、最後、やりきれて終わったらいいなと思います」

 昨秋の近畿大会は初戦敗退し、今春の選抜出場は絶望的となっている。だが、沈んでいる暇はない。すでに気持ちは夏に向かっている。日本一は、常勝軍団の使命。その最終目標に向けて、再スタートを切った。

 中野は主将であるとともに、最速153キロ右腕・森とダブルエースを形成するプロ注目右腕でもある。昨年は春夏連続で甲子園に出場。昨春選抜では3度の救援登板で計7回3失点と粘投し、昨夏甲子園大会では初戦の興南(沖縄)戦の先発マウンドに立って大会一番乗りの完封勝利も飾った。昨秋はエースナンバーを森に譲って背番号「7」を背負ったが、全国トップレベルの投手の一人だ。

 1メートル80、79キロ。均整の取れた体格をフル活用したバランスのいいフォームから、最速149キロ直球を投じる。力で押す剛腕タイプの森に対し、切れと制球力で勝負する技巧派タイプ。マウンド度胸満点で、先発、救援いずれにも対応できる点も持ち味だ。

 今オフ期間には「自分でいろいろ試してみて膝の使い方だったりとか股関節の使い方、可動域であったり、あの投げ方が、試してみて一番いいかなと思って」とドジャース・山本由伸の投球フォームを参考に、新たなスタイルを模索。さらなる進化を見据え、自己研鑽にも余念はない。

 阪神ファンの一家に生まれ、「大虎」と名付けられた。特に母方の祖父は阪神の私設応援団に所属するほどの虎党だった。生まれた時から、その身に「猛虎魂」を宿す右腕が理想に掲げるのは、その阪神・藤川監督が現役時に代名詞とした「火の玉ストレート」だ。

 「ボールだけで言うと、藤川球児投手のストレートにずっと憧れていて、あのストレートを投げることで打者も魅了されるし、見ている人から(の視点で)も魅力的だと思うので、あのストレートを目指したい」

 理想のフォーム、究極の直球を追求する先に、背番号「1」を見据える。エースナンバーを競う相手は、今秋ドラフト上位候補に挙がる森。「チームメートなんですけど、ライバルとかそういうのではなくて、ここ(大阪桐蔭)に入ってきた以上、(背番号)1を争う同志だと思うので、この春から背番号1を争う相手だと思って見ています」。全国トップレベルの2投手による切磋琢磨(せっさたくま)は、結果的にチーム力の底上げへとつながる。目指すは頂点のみ。中野は、燃やした闘志を、ボールにまとわせる。

 ◇中野 大虎(なかの・だいと)2007年6月18日生まれ、大阪府和泉市出身の17歳。5歳でソフトボールを始め、小6から野球に転向して大阪泉州ボーイズで投手を務める。中学では浜寺ボーイズに所属。大阪桐蔭では1年秋から背番号11でベンチ入りし、甲子園には2年春夏と2度出場。2年秋は背番号7。50メートル走6秒3、遠投115メートル。1メートル80、79キロ。右投げ右打ち。

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