川相塾で名手を育て上げる。巨人は17日、都内のホテルでスタッフ会議を行い、春季キャンプは当初1軍スタートの構想だったドラフト2位指名の浦田俊輔内野手(22=九産大)の2軍スタートを決めた。ドラフト1位の石塚裕惺内野手(18=花咲徳栄)とともに、未来の正遊撃手候補が川相昌弘2軍野手総合コーチ(60)の下でプロで生き抜く極意を学ぶ。
名手としてプロの世界で24年間生き抜き、遊撃で6度のゴールデングラブ賞に輝いた川相2軍野手総合コーチに、未来のスター候補が託された。石塚、浦田のドラフト1、2位コンビの遊撃手はキャンプ2軍スタートが決まった。徹底的に基礎から学んでほしいという意向で、阿部監督は「川相さんに見ていただきたい。しつこい練習をしていただき、鍛錬させることも大事かなと」と期待した。
昨季、遊撃手としての最多出場は門脇の107試合。今季もレギュラーの1番手に名が挙がるが鉄板ではなく、続く選手が固められていないことも現状だ。そこで目を向けたのがルーキーコンビ。昨季の1軍内野守備コーチから2軍に配置転換され、金の卵を預かる川相コーチは「ボールの捕り方や正しいステップとか、きっちり伝えていければ」と見据えた。既に映像で動きは確認しているが「まずはよく見て、どんなプレーするのか確認した上で、基本練習へのきっかけをつくってあげられたら」と強調。ある程度のプレースタイルを把握した上で、熱血指導が始まる。
不動の4番・岡本も川相塾から羽ばたいた。3年目の17年オフに守備を本格指導すると「守備に対する意欲が凄くて、食らいついてきて。最後まで残してノックしたり、いろいろやっていた」と笑った川相コーチ。翌18年から7年連続で20本塁打を記録するきっかけにもなり「ボールを捕って投げる動作は、バッティングのテイクバックを取ってステップする、トップをつくる動作と同じ」と守備と打撃の連動性も説いた。世界記録の通算533犠打の奥義や、卓越した野球脳も、身近に接することで吸収できる。
特殊な練習は必要ない。「一生役立つ基本練習を伝えていけたら」。誰よりも守備の大切さを知る名伯楽は、ルーキーズが食らいついてくる姿に期待していた。(村井 樹)