阪神の秋山拓巳ベースボールアンバサダー(BA)とタイガースアカデミーのコーチが18日、明石市内で中学教員と地域の指導者52人に講習会を開いた。
事前アンケートでは、参加者から「制球力向上の指導法」を求める声が多かったことから、コントロール改善につながる姿勢のつくり方を紹介。あらゆるスポーツに通ずる「骨盤を起こす姿勢」のつくり方、投球時の立ち姿勢など、「姿勢」の重要性を指導者に説いた。
「スマホで猫背になる子が増えている。和式トイレを使う機会がほとんどなくなり、股関節の硬さも気になる。ケガをすれば、野球を続けられない。姿勢や柔軟性は、1番身近に意識できること」
会場の1つの二見中は、「精密機械」の異名で通算320勝を挙げたOB小山正明氏の母校。偉大なレジェンドゆかりの地で、現役時代に制球力を武器とした秋山BAが「コントロール」という共通項でコラボをした。
秋山BAは昨季引退し、主に小中学生を指導する新しい仕事にやりがいを感じている。現場に出て感じた少年野球界の現状を、「昔はやらされている練習が多かったが、今はそういう時代ではない。その分、野球に熱が向きにくくなっている部分がある。だからこそ、野球の魅力や楽しさを伝えられたら」と体感している。SNSやインターネットで、さまざまな技術やトレーニング情報が手に入る時代。そんな現代だからこそ「見よう見まねでやることは、向上心があるということで悪いことではない。マネを否定せず、その中身を濃くできるような指導をしてあげればいいなと思っている。何が正解かはわからないので」と指導モットーを掲げた。
この日は、望月惇志コーチが投手、森田一成コーチが打撃の指導方法を紹介した。未経験者が少なからずいる中学の部活。そんな環境でも導入しやすい練習方法を、数パターン教えた。