日本サッカー協会主催の指導者向け研修会「第14回フットボールカンファレンス」が18日、熊本市内で行われ、元日本代表主将の長谷部誠氏(41)が登壇した。
EフランクフルトU―21でアシスタントコーチを務め、昨年9月から日本代表コーチを兼任する長谷部氏は、日本サッカーの課題の一つに「メンタリティー」と指摘。「戦術や技術、フィジカルは高いレベルにある。メンタリティーをどう高めていけるかが、これから先のW杯で頂点を獲るために大事なこと」と話し、育成年代から取り組む必要性を訴えた。
自身の少年時代の強烈な記憶も明かした。93年のドーハの悲劇。小学4年だった長谷部氏は試合を見ることなく寝ていたというが、深夜にサッカー好きだった父に起こされ、「(悔しさを)絶対に覚えとけよ」と言われた。当時、父から感じ取った思いや熱量がその後のサッカー人生につながり、「僕はそういうのを持ってこれまでやってきた」。会場に集まった約500人の指導者を前に、「指導者や親がそういうものを次の世代につなげていけたらいい」と語った。
昨年5月に現役を引退し、指導者として第二の人生が始まった。日本代表では自身の現役時代の経験を伝えることを「使命」とし、「自分がいる意味を考えてやらないといけない」と話した。