◇プロボクシング東洋太平洋フェザー級タイトルマッチ12回戦 中野幹士《3回2分5秒KO》英 洸貴(2025年1月18日 東京・後楽園ホール)
東洋太平洋フェザー級級王者の中野幹士(29=帝拳)が挑戦者で同級11位の英洸貴(26=カシミ)に3回KO勝ちし初防衛に成功。デビューから12戦全勝(11KO)とした。
自慢の強打がさく裂した。3回に強烈な左アッパーで最初のダウンを奪うと、再開後も右フックで2度目のダウンを奪取し、相手に10カウントを聞かせた。7連続KO勝利に「練習でやってきたのパンチがバッチリはまった。手応えはありました」と涼しい顔。“鉄の拳”の愛称にふさわしいKO劇で昨年9月に獲得したタイトルの初防衛に成功した。
世界ランキングではWBA6位、IBF9位、WBO12位、WBC15位と主要4団体全てでランキング入り。試合前には同ジムの本田明彦会長から「いい勝ち方をしたらアジア卒業」と完勝を課された中での一戦だった。担当する元世界2階級制覇王者の粟生隆寛トレーナーは「常に練習していたパンチがドンピシャで決まった。その後のまとめ方も冷静で合格点を上げたい。後は会長の評価を待ちたい」とゴーサインを出す。
見守った本田会長は「パンチ力はうちのチャンピオンの中でも一つ抜けている。次は間違いなく世界ランカーとやらせます」と次戦の世界ランカー戦を明言。中野自身は「まだまだ足りない。もっと鍛えます」と謙遜し続け「今の実力では世界はまだ難しい。一戦一戦地力をつけていきたい」と勝って兜(かぶと)の緒を締めた。