アキラよ、代打で神ってくれ――。ソフトバンクの小久保裕紀監督(53)が18日、中村晃外野手(35)の今季の起用法について言及し、代打が中心になると明言。勝負どころで球場の雰囲気を一変させる「代打の神様」になってほしいと熱望した。中村はこの日、福岡市内で渡辺陸捕手(24)らと行っている自主トレを公開。通算1500安打まで残り73本としている巧打者は、プロ18年目のシーズンに懸ける強い覚悟を示した。
小久保監督がプロ18年目を迎える背番号7に“代打道”を極めてほしいと望んだ。中村の今季起用法を問われた指揮官は、ここ一番での切り札として結果を出し続けてほしいと願った。
「去年(中村と)話をしたけど、セ・リーグでは比較的生まれやすい“代打の神様”と言われる人はパ・リーグではなかなか生まれにくい。そこを目指すのは“もうアキラしかいないやろ”と話した。代打の神様になってもらいたいんですよね」
DH制がないセ・リーグの方が代打起用は圧倒的に多く、多くの代打の神様が誕生してきた。「桧山さんだったり、立浪さんだったり。パでのチャンスは少ないかもしれないが、球場の雰囲気を変えられる一番手はもうアキラ」。今季のDHは柳田を中心に回すプラン。中村にはここぞの打席を託すつもりだ。
中村はこの日、福岡市内で渡辺らと行っている自主トレを公開した。ティー打撃、フリー打撃で計159スイング。仕上がりは順調で、小久保監督の“神化”の願望を伝え聞くと静かに闘志を燃やした。
「代打でもスタメンでも出たところでしっかりと最高の結果を出せるように。結局は技術職。技を極めていきたいなと思うんでね」
一昨年まで一塁手で4年連続ゴールデングラブ賞に輝いた中村だが、昨年は山川の加入で出番が減った。101試合出場で打率・221、16打点。本塁打は12年以来、12年ぶりに0本に終わった。代打は70打席に立ち、59打数12安打、打率・203と1打席勝負の難しさを痛感した。「去年はあまり良くなかった。当てることが得意で、ボールを見極めることが持ち味だと思うし、確率良く、いい打球を飛ばさないと。そこが一番大事」と原点に帰る。
36歳シーズンに挑む巳年生まれの年男は新たな代打の神様となれるか。「準備の仕方とかは去年、勉強できた。あとは打つか、打たないか。腹をくくってやりたい」。心構えは万全だ。(井上 満夫)