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広島・新井監督絶叫「広島優勝、心願成就」21回目の護摩行で完全燃焼V誓った!

スポニチアネックス 2025年1月19日 5時47分

 広島の新井貴浩監督(47)が18日、和歌山県高野町の高野山・清浄心院で21回目の護摩行に挑んだ。約120分間の行では、火柱の前で不動真言を唱え「広島優勝、心願成就」と絶叫祈願。池口恵観大僧正(88)からは「必勝」の2文字を授けられた。首位から急降下した昨秋の悔しさを胸に刻み、就任3年目の今季こそ完全燃焼Vを果たす。

 約40センチの至近距離で3メートルを超える火柱と正対し、全身全霊で不動真言を唱えた。約1800本の護摩木がくべられ、燃え上がる炎は摂氏400度超。約120分に及ぶ荒行を終えると、新井監督の顔は真っ赤に腫れ、声はかすれていた。

 「昨年9月の悔しさを思い出しながら、護摩行の火と向き合っていた。体がしびれるからね。熱いけど、気持ちが引けたらどんどん押される。逃げない…という気持ちでやった」

 現役だった2004年12月に鹿児島・最福寺で始めて以来、21回目となる護摩行。引退後の評論家時代はもちろん、指揮官就任後も「心の支え。本当は逃げたいけど、逃げると自分がダメになってしまいそうなので」と欠かさず続ける。

 唱えられた経は、途中から「広島優勝、心願成就」という文言に変わり、行に参加した僧侶や信者が新井監督と一緒になって絶叫。「必勝」の2文字を授けた池口恵観大僧正も「野球が終わるまで毎日護摩を焚(た)き、広島カープ優勝、心願成就と祈願する」と明かし、指揮官を激励する。

 「今年は、どうしても優勝していただきたい。私は数えで90歳になる。100歳まで頑張るから、あなたも頑張れ!と。(巨人の)川上(哲治監督)さんが9連覇されたんだから、10連覇やれ!と。そういう話をした」

 何とも心強い、大僧正の行によるサポート。無論、新井監督も雪辱への思いは強い。いまだ記憶に新しい昨夏までの快進撃。戦前の下馬評を覆す首位快走劇は、しかし、月間20敗を喫した9月の急失速でBクラスへと転落して幕を閉じた。

 「年が変わっても、あの悔しさは忘れていない。選手やどこかの場面じゃなく、自分に対する悔しさ、腹立たしさだね。もっとこうしておけばよかった…とか。悔しい気持ちを護摩行の炎のように燃やし続け、優勝を目指して頑張りたい」

 「さまざまなことが変化する年」というワードを掲げ、世代交代を図りながら逆襲を誓う今季。指揮官として至らなかった己を荒行で磨き、頂点をつかみ取って昨季の悔しさを燃やし尽くす。 (江尾 卓也)

 ≪中堅、ベテランに注文「結果出して」≫「さまざまなことが変化する年になる。痛みも伴う」として、世代交代を図る方針を掲げる今季。新井監督は中堅、ベテラン選手に言及し「とにかく結果を出してほしい」と注文した。その上で「いつも言っているけど、若手だけでは絶対に戦えない。彼ら(中堅、ベテラン)の力や経験が必要。だから結果を…」と強調した。

 ≪04年オフから継続≫

 ▽新井監督と護摩行 広島で現役の04年オフ、兄貴分の金本が鹿児島・最福寺で行っていた恒例行事にならい、地元・広島のテレビ局の正月企画で挑戦したのがきっかけ。翌05年オフからは寺に泊まり込み、修行を本格化。08年の阪神移籍、15年の広島復帰をへて、現役最終年の18年まで14年連続で敢行した。18年からは修行場所を和歌山・高野山の清浄心院に移し、引退後の評論家時代も継続していた。護摩行後に池口恵観法主から授かった金言、格言は常在戦場(08年)、背暗向明(09年)、小欲を大欲で制す(11年)、一打成仏(17年)などシーズンを戦う指針となった。

 ≪炎の前で不動真言唱える≫

 ▽護摩行 インド伝来、密教最高の修行法。燃え上がる炎の前で全身全霊をこめて不動真言を唱えることにより、すべての煩悩を焼却するとともに息災を祈願する。通常2時間、長いものでは8時間に及ぶものもある。

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