現役時代に3冠王を3度獲得し、監督としては中日を4度のリーグ優勝に導いた落合博満氏(71)が19日、TBS系「サンデーモーニング」(日曜前8・00)に出演。16日に日本の野球殿堂入りを果たした中日監督時代の教え子・岩瀬仁紀氏(50)について言及した。
岩瀬氏は2007年の日本ハムとの日本シリーズ第5戦で、8回まで完全投球を続けていた山井大介からバトンを託され、9回のマウンドへ上がり継投での完全試合を達成。球団53年ぶりの日本一を果たした。
落合氏はこの試合後に岩瀬氏と話している場面について問われると「“お疲れさん”と言ったんじゃないのかなと思う。そんなに長い時間じゃなかったと思うんでね」と振り返った。
この試合についても「あの試合の山井は凄かった。山井は称賛されましたよね。岩瀬があのプレッシャーの中で成し遂げたことは誰も取り上げてくれなかった。あそこで一番きついのは岩瀬」と話した。
共演した中畑清氏が「なんで代えたんだという見方もある。野球界としてあの決断は凄かったと思う」とコメント。落合氏は「あれは山井が“もう無理です”って言わなければ悩みましたよ。どうするんだっていう前に山井が“もう岩瀬さんに代えてください”って言ってきたから代えやすかった。血マメができていたっていうのもあるしね。普段だったら5、6回で“もうダメです”って言う子が8回までよく頑張り抜いたっていう方がこちらとしてはありがたかったですけどね」と当時のやり取りを振り返っていた。
このやり取りについて、中畑氏は「中にいなかったらできないことだよね。外から見ていたら間違いなく代えちゃいけないだろってみんなが強く思うシーンだから」とコメント。これについて、落合氏は「あれは世の中を二分しましたよね。監督経験者でも、あれは代えるべきだっていう人とやっぱり代えないという人と」と説明した。その上で9回を岩瀬氏に託した決断について「9回を投げるのはお前なんだろというもとで“お疲れさん”と言ったんだろうと思う」と改めて振り返った。