カブスのトム・リケッツオーナーがビッグマーケットの球団でありながら、ドジャースやメッツのように積極的な補強を行わないと批判されている件について、地元のラジオ番組で釈明した。
同オーナーは現状を説明したうえで、自軍の信念についても明かした。
「野球のビジネスモデルは長い間非常にうまく機能してきましたが、現在、少しバランスが崩れている。ドジャースは何年も前に賢明なビジネス判断をしたことで多くの資金を持っている。それについて非難するつもりはないが、それと競争するのは難しい。ファンがどうして同じようにお金を使わないのかという気持ちは理解できます。彼らは、我々がドジャース、メッツ、ヤンキースと同じ資金を持っていて、それをただ保管していると思っている。でも、それは全くの誤解です。我々は毎年損益分岐点(収益と費用のバランスが取れるポイント)を目指しているだけです」
現在、カブスの2025年の年俸総額はデータサイト「ファングラフス」によると約1億8000万ドルで、メジャーリーグ13位。しかし、リケッツオーナーは地元紙の記者に、25年の年俸総額がぜいたく税の基準額である2億4100万ドルに近づくことを見込んでいると明かし、トレードデッドラインでの補強資金を確保していると説明した。
説明通りなら、まだ5000万ドル以上も使える枠が残っている。しかし熱心なファンはオーナーが基本的にお金を使いたがらない人物だと感じている。チームは20年のシーズン後に再建に入り、給与総額は縮小。昨季、開幕日の年俸総額がリーグのトップ10入りを果たしたのは2020年以来初めてだった。
オーナーは年俸総額でトップにならなくても、安定して優勝争いができる道を目指すと言う。
「ワールドシリーズに勝つ方法は、できるだけ多くプレーオフに進出することです。プレーオフに進み続ければ、チャンスはあります。我々の目標は一貫性を持ち、常に地区優勝を狙えるチームを作ることです」
しかし2020年にプレーオフに進出して以降、21、22年は再建期間にあてたためシーズン負け越し。ここ2年は83勝79敗でプレーオフ進出を逃した。23年は地区首位に9ゲーム差、24年は10ゲーム差と、大きく水をあけられた。
同オーナーは2025年が特に重要なシーズンであるとは考えておらず「毎年プレーオフを目指している」とだけ述べている。