◇ノルディックスキー W杯ジャンプ女子札幌大会最終日(2025年1月19日 大倉山ジャンプ競技場)
個人第11戦(ヒルサイズ=HS137メートル)が19日に行われ、高梨沙羅(28=クラレ)は116メートル、127・5メートルの合計205・7点で8位に入った。大会はエイリンマリア・クバンダル(23=ノルウェー)が129・5メートル、136・5メートルの大飛躍で248・4点で優勝を飾った。
2回目で高梨がK点(123メートル)を超える127・5メートルの飛躍を見せると、観客がどよめいた。W杯個人戦で今季3度目のトップ10入り。「ジャンプの内容は落ちていたところから徐々に戻すことができたので、その手応えはあって。失敗から学ぶことの方が自分の身になりやすいと思うので、それを自分のものにして続けられたら良いなと思います」。表彰台はならなかったが、一定の手応えを得られた大会になった。
ただし、課題である着地姿勢のテレマークは1度も決めきれなかったことに視線を送る。ルール改正によって今季から順位に大きく影響を受ける。「私の一番の後悔なんですけど、小さい頃に練習をしていなかったので、テレマークを入れる感覚が良く分からなくて」と胸のうちを明かした。現在は階段であえて飛び降りて姿勢を取るなど、日常生活から懸命に取り組んでいる。
次戦は山形の蔵王が舞台。12年3月に15歳4カ月の史上最年少でW杯初優勝を挙げた思い出のジャンプ台だ。「テレマークを入れることが目標」と高梨。ミラノ・コルティナ五輪プレシーズンだからこそ、28歳は正面から課題に向き合い続ける。