育英大レスリング部は19日、高崎市の同大キャンパスにある練習場で、女子米国代表との合同練習を報道陣に公開した。練習にはOGの桜井つぐみ、元木咲良(ともに育英大助手)に加え、藤波朱理(日体大)と3人の24年パリ五輪金メダリストが参加。米国側は五輪代表選手の参加がなかったが、ホスト国となる28年ロサンゼルス五輪の出場を目指す有力選手とスパーリングを繰り返した。
今回の合宿は約3カ月前、近年急速に力を付けている育英大に打診があり実現。期間は18~26日の9日間で、十数人の米国選手が来日した。受け入れた育英大の柳川美麿監督も「こんなに長期間、しかも大人数で来たのは初めて」と言及。日本側はパワータイプの米国選手と組み合い、米国側は世界のトップを行く日本の技術を学ぶメリットがあり、指導者同士の交流も図っているという。
パリ五輪以来、約5カ月ぶりに外国人選手と組み合ったという62キロ級五輪王者の元木は「こんなに外国人選手とやることはないので、身になっている。あえてコンタクトして、失敗を繰り返して試行錯誤している。いい練習になっている」と充実の表情。「大雑把に見えて、そうではない。技術レベルも高い」と米国ならではの技術も吸収していることを明かした。
米国では現在、女子レスリングが急速に普及しており、NCAA(全米大学体育協会)の正式種目にも加わったという。柳川監督は「次は全部来ると思う」と五輪代表らトップ選手が来日する可能性も示唆。育英大側が米国遠征する可能性もあり、「練習だけではなく、NCAAの運営を学ぶ機会にもなれば」と話した。