Infoseek 楽天

阪神・梅野 牛骨バットで開幕マスク“ギュ~”っとつかむ 「感覚がいい」新相棒で打力アップだ

スポニチアネックス 2025年1月20日 5時17分

 「牛骨バット」で2年ぶりの開幕マスクつかみ取る!阪神の梅野隆太郎捕手(33)が19日、沖縄県の「バイトするならエントリー宜野座スタジアム」で自主トレを公開した。今季から牛骨によるバットの「表面加工」の解禁を受け、硬さの違う2本のバットを試し打ち。うち1本に好感触を得た。昨季は打率・209、0本塁打と苦戦。逆襲を期す背番号2は、3月28日の広島との開幕戦(マツダ)を見据えた。

 新たな相棒を手に、梅野は宜野座ドームで何度もスイングを繰り返した。沖縄での自主トレは、今回が節目となる10年目。練習終了後、今季から解禁された「牛骨バット」の効果を口にした。

 「硬すぎてもう一本の方はちょっとどうかなと思ったけど、例年使っていたより“ちょっと硬いかな”という感覚がいい」

 アドバイザリー契約を結ぶSSK社から、年明けに用意されたのは2種類。出身地である福岡のラーメン風に例えると「バリ硬」と「硬」がある。1月上旬から試し打ちしていく中で、選択したのが「硬」。この日のティー打撃でも使用し、新加工のはじきの良さに手応えを感じている。

 「(2月のキャンプ以降も)使っていこうかなと思っている」

 最大の長所が「打感」の良さだ。NPB側の調査で反発係数には関係がないと示されているが、一般的に「打球が飛んでいる」感覚を得ることができるという。この2年間は打撃で苦しみ、昨季も95試合の出場で打率・209、0本塁打。入団時から、しなりの出やすい柔らかいバットを愛用してきたことを思えば、用具の変更は覚悟の表れともいえる。

 守備の偉業にも挑む。昨季は入団1年目以来となる捕逸0。2年連続となればセ・リーグでは史上初で、通算3度目は1リーグ制も含めた球団最多となる。「当たり前のことが当たり前にできた時にそういう結果が出る。いい準備をしていきたい」。守備力の高さはリーグ随一。打撃が良化されれば、3月28日の広島との開幕戦に向け視界は良好となる。

 「チームに勝ちを呼び込むような一打を打ちたい」

 午後からは同ドーム内で、トークショーを開催した。約150人を前に「(シーズンの)最初からしっかり活躍できるよう頑張ります」と宣言。2年ぶり9度目の開幕マスクとなれば、球団捕手では単独2位に躍り出る。

 「(開幕スタメンを目指すことに)そりゃそうでしょう」。多くを語らなかったのは、選手として当然のことであるからだ。打撃主要3部門全てで、キャリアハイを期すプロ12年目。近年は併用が続く坂本に、定位置を明け渡すつもりはない。(石崎 祥平) 

 ▼牛骨によるバットの表面加工 牛骨でバットの表面をゴリゴリとしごいて木目を詰めることで、表面を硬くすることが目的とされる。大リーグでは一般的な加工で、日本でも今季から解禁される。NPBの調査で加工前と反発係数は変わらないと示され、昨年10月の野球規則委員会で解禁することが決まり、実行委員会で12球団に正式に通達された。かつては長嶋茂雄、大杉勝男ら伝説級の打者も行っていたが、81年に反発力の高い「圧縮バット」が禁止されたのと同時期から禁止された。

 ○…梅野(神)はこれまで15年と17~23年の8シーズンで開幕捕手。昨季は坂本が開幕捕手を務めたため、17年からの連続記録が7年でストップしている。今季2年ぶり9度目の開幕マスクなら、阪神の捕手では矢野輝弘の10度(99~08年)に次ぐ単独2位で、田淵幸一の8度(70、72~78年)を抜く生え抜き捕手最多になる。

 ○…梅野が、青柳にエールを送った。前日に大リーグのフィリーズとマイナー契約で合意。22年にはシーズン最多13勝を挙げた右腕をアシストし、本社制定の最優秀バッテリー賞を受賞した。「挑戦するヤギ(青柳)の男としての姿というのは、めちゃくちゃかっこいい。お互い切磋琢磨(せっさたくま)できるような、刺激のある1年にしていきたいなと思う。ヤギ自身も頑張ってほしい」と言葉に力を込めた。

この記事の関連ニュース