海を渡る「令和の怪物」から、復活へのモチベーションをもらった。開幕ローテーション入りを狙う阪神・西純が、3月16日に行われるドジャースとのプレシーズンゲーム(東京ドーム)でのメンバー入りを目標に掲げた。
「楽しみだし、見てみたい。ワールドシリーズでも優勝したチームだし、単純にどういう感じなのか見たい気持ちはある。朗希もいるので、より頑張ろうと思います」
前日、佐々木が自身のインスタグラムでド軍とマイナー契約を結んだことを発表した。19年U18W杯のチームメート。当時は「高校BIG4」として並び称された。ポスティングでのメジャー挑戦が決まった際に「おめでとう」「いろいろと話を聞かせてな」などと連絡。「頑張るわ」と返答をもらった。新たな挑戦を応援したい気持ちがある一方で、同学年との差が開いたことを痛感。「(佐々木は)すごいな、と思っている自分がちょっとダサい」と率直な胸の内も明かした。
同年の韓国遠征で受けた衝撃を忘れたことはない。佐々木が投球練習を行った時のこと。ブルペン捕手が不在の間、グラブのまま相手を務めた。力の入れ具合を「8割で」と伝えて投球開始。だが、すぐに見通しが甘かったことに気づく。「バリ痛いし、バリ怖い。ホンマ速かった」ことから、「ごめん5割で」と修正を願い出た。
甲子園などで行う自主トレでは、17日に初めてブルペンに入った。「だいぶ良くなっている感じはある。どこに行くか分からない感じは抜け出した」。投球フォームが固まらなかった昨季は、1軍登板はわずか4試合で0勝1敗。6年目を迎え、強い危機感を抱く。
「今永さんや鈴木誠也さんがいる(3月15日の)カブス戦も楽しみです」
メジャー相手の登板は、開幕ローテーション入りをかけてこれ以上ないアピールの舞台となる。厳しい競争が待ち受けることは百も承知。先を行く仲間の存在も力に変えて、西純が腕を振る。(鈴木 光)
≪2019年の「高校BIG4」≫
高校生投手でドラフト上位候補と目された大船渡・佐々木朗希(ロッテ1位)、星稜・奥川恭伸(ヤクルト1位)、創志学園・西純矢(阪神1位)、横浜・及川雅貴(阪神3位)の総称。及川を除く3人は侍ジャパン高校日本代表としてU18W杯に出場した。