大リーグ公式サイトのマーク・フェインサンド記者が19日、米国野球殿堂入りの発表を控えたイチロー氏について、殿堂入りするかどうかは疑問の余地がなく、唯一の興味は史上2人目の満票での選出となるかどうかだと報じた。
もちろん、フェインサンド記者はイチロー氏に投票している。ニューヨーク在住の同記者がイチロー氏を日々取材したのはキャリア後半だったが、イチロー氏の打撃を見るのは常に喜びだったという。試合前の準備はとても興味深く、ストレッチルーティンからバッティングケージでの練習まで、習慣だらけだった。全盛期のイチローは担当できなかったが、素晴らしい選手である理由を理解するのは容易だったとした。
フェインサンド記者お気に入りの個人的エピソードは、2014年のヤンキースとレッドソックスのシリーズ中にボストンで起きたハプニング。フェンウェイ・パークのビジター用クラブハウスは非常に狭く、ヤンキースが訪れると空きスペースはほとんどない。ある選手にロッカーの前で話を聞こうとしていたとき、イチロー氏は近くにいて日課のストレッチをしていた。
インタビューの最中、同記者は気づかずにイチロー氏の手を踏んでしまった。すぐに気づいて謝罪したが、イチロー氏は困惑した記者をからかう機会を逃さなかった。真顔で「もっと痩せないとね」と語り、数秒後に笑い出した。実際、フェインサンド記者は太めの体形だ。幸いなことにイチロー氏の手は問題なく、その夜は4打数2安打(1本は二塁打)の活躍。記者の失態で未来の殿堂入り選手を負傷者リスト入りさせてしまうのではないかという恐れを消し去ってくれたという。
イチロー氏はインタビューを日本語で行っていたが、英語も完全に使いこなしていた。同記者は、イチロー氏の英語は米国で生まれ育った多くの人々よりも上手だったと主張している。この夏、クーパーズタウンでのセレモニーで、英語でスピーチをするのか日本語で行うのかは分からないが、イチロー氏のユーモアと野球に対する深い洞察力が、忘れられないスピーチにしてくれるのは間違いないと期待している。