オーストラリアのメルボルンで開催中の全豪オープンテニスで、元男子世界ランキング1位のノバク・ジョコビッチ（37＝セルビア）が現地公式放送局「チャンネル9」のインタビューを受けないと表明した件で、ジョコビッチを侮辱した同局のアナウンサーが20日、謝罪した。米スポーツ専門局ESPNなどが伝えた。
チャンネル9の有名アナウンサー、トニー・ジョーンズ氏は17日のニュース番組で、全豪オープン10勝を含む四大大会優勝24回のジョコビッチについて「過大評価されている」「過去の人」「追い出すべき」などと発言。セルビアのファンを非難した。
ジョコビッチは19日の男子シングルス4回戦にストレート勝ちした直後、恒例となっているチャンネル9のコートサイドインタビューを拒否。会見で「私に対して侮辱的で攻撃的なコメントをした」と説明し、謝罪がない限りインタビューには応じない方針を強調していた。
ジョーンズ氏は20日朝のニュース番組「トゥデー」に出演。ジョークのつもりだったが度を超えていたと釈明し、「すぐにジョコビッチ陣営に連絡して、ノバク選手が無礼と感じたことを謝罪した。48時間前のことだ」と謝った。「今はテニスに集中することが最優先。私にできるのは、48時間前の言葉をもう一度伝えることだけだ」と話した。また、チャンネル9を運営するナイン・ネットワークも「ノバク選手やファンに危害を加える意図はなかった」と謝罪声明を発表した。
女子世界ランク11位のダニエル・コリンズ（31＝米国）は、シングルス2回戦で地元選手と対戦した際に観客を挑発した行為について、ジョーンズ氏からラジオ番組で「ガキ」呼ばわりされたと明かしていた。オーストラリアのアルバニージー首相は国営放送ABCに対し、ジョコビッチは謝罪を受けるに値するかと問われ「それは彼らの問題です」とことわった上で「ジョコビッチ選手が素晴らしいテニス選手であることに疑う余地はない。もっと敬意を払う必要があると思う。放送局のコメントを見たが、我々は全体的にもっと親切さと寛大さと敬意を必要とされている。人々もそれを求めている」と見解を示した。