上方落語協会で芸歴15周年を迎えた落語家による「噺家十五周年~翔ぶトリウィーク~」が大阪・天満天神繁昌亭から神戸新開地・喜楽館に舞台を移し、27日から林家愛染(37)のトリ公演がスタート。20日、愛染と桂団治郎(36)、桂和歌ぽん(33)、桂三語(39)が会見に登場。意気込みを語った。なお、桂福点(56)は繁昌亭での「翔ぶトリウィーク」出演のため会見を欠席した。
繁昌亭で寄席のトリを1週間務める大役を経験した4人。昨年8月に先陣を切った愛染は「緊張と気遣い」に加え、台風の上陸が心配された週だった。台風最接近で朝席も夜席も中止になった日も、100席以上が埋まる人気で「他のイベントも軒並み中止になったが、そのお客さんが流れてきたかも」と笑いを誘った。そんな苦労もあったが「楽しかった。もう一度、緊張感を味わいたい」と神戸での公演を楽しみにしている。師匠の林家染丸(75)は現在も病気療養中。「師匠にこんなんでしたと映像を見せたら、泣いて喜んでくれました」と感慨深げ。「どの日に来ても楽しいという1週間にします」と決意を新たにしていた。
2月3~9日までトリを務める団治郎は「今までは間で出させてもらい、次につなげればと思ってたが、(寄席の)すべてをトリが回収しないといけない。盛り上がってなかったら、最後が盛り上げる。盛り上がってたらさらに盛り上げて。お客さんに満足してもらわなアカンという責任を感じました」と得る部分は多かったようだ。
和歌ぽんは2月24~28日までの公演。修行中に2度、失踪した経験があることから「繁昌亭では桂坊枝師匠から“3日目ぐらいで逃げるんとちゃうか”と言われましたが、1週間勤めました」と達成感いっぱいの笑み。「喜楽館で記憶に残る1週間にしたい」と意気込む。
三語は3月10~16日の公演。繁昌亭での1週間を「有意義な1週間。勉強になりました」。トリを勤めるため、他の演者のネタを考慮して自分のネタを決める苦労も経験。「自分には人間力が足りない」と自戒しながら、さらなる1週間公演でのトリについては「いつでもいけるんとちゃうかなと思います。トリを経験したことのある人にしか分からんことがある」と次回の大役へ自信をのぞかせていた。