◇全豪オープン 第9日(2025年1月20日 メルボルン)
女子シングルス4回戦で世界ランキング27位のエレナ・スビトリナ(30=ウクライナ)が同75位のベロニカ・クデルメトバ(27=ロシア出身)に6-4、6-1でストレート勝ちし、全豪オープンでは19年以来6年ぶりにベスト8入りした。
キャップ、ウエア、シューズと全て赤色で統一したスビトリナは、第1セットを1-4からの5ゲーム連取で奪取。第2セットを2度のブレークでモノにすると、いつもどおりロシア出身選手とは握手をせず、テレビカメラに「ウクライナの魂」と記した。22年2月のロシアによるウクライナ侵攻開始後、ロシア出身選手には7戦全勝となった。
スビトリナは出産から23年4月に復帰後、全仏オープンで8強、ウィンブルドン選手権では4強入りしていたが、昨年の全豪は4回戦止まりだった。会見では「今日は勝って、ウクライナの人々に良い知らせで目覚めてもらうつもりだった。試合に勝つこと、ウクライナの人々に少しでも光と勝利をもたらす方法を見つけることは、私の責任と感じています」と話した。
「友人が前線で亡くなったり、ロシア兵に殺されたというニュースを聞くと、本当に心が重くなる」と明かしたスビトリナは、ロシア選手との対戦では「気持ちが違う。勝てなかったらコート上で死にたくなる。そんなに簡単に勝たせるわけにはいかない」と強い口調で語った。今後もロシア選手と握手するつもりはないという。会見後は21年に結婚し、今大会でともに4回戦へ進んだガエル・モンフィス(38=フランス)の応援に向かった。