【室井昌也の月に2回は韓情移入】巨人・戸郷翔征投手(24)が出身地の宮崎で行っている自主トレーニングに斗山(トゥサン)ベアーズの投手、李映河(イ・ヨンハ=27)ら4人の韓国選手が参加している。李映河が戸郷率いる巨人の面々と自主トレを行うのは昨年に続き2度目だ。
李映河は身長1メートル92の長身右腕。16年にドラフト1次指名で入団し、19年に先発投手として2年連続2桁勝利となる17勝を挙げた。その後リリーフに転向。昨季は59試合に登板して5勝4敗2セーブ5ホールド、防御率3・99という成績だった。
昨秋の第3回プレミア12では戸郷、李映河ともに代表入り。2人はオープニングラウンド開催地の台湾で顔を合わせた。戸郷の韓国戦での出場はなかったが、李映河は日本戦の5回裏に4番手として登板。打者5人と対戦した。
李映河は昨年の戸郷との自主トレについて、「フォークボールの精度が上がったこと」を成果に挙げた。その一方で「実は技術面よりも戸郷選手や他の日本の選手とたくさん会話したことで練習に向き合う姿勢や、試合に入る時の考え方が人それぞれ違うと分かったことが大きかったです」と話した。
戸郷と李映河の間を取り持ったのは、韓国の選手マネージメント会社の代表。かつて日本でプレーした李承〓現斗山監督(元ロッテ、巨人、オリックス)と李大浩(元オリックス、ソフトバンク)の通訳を務めた人物だ。
日韓の選手が練習をともにするケースはこれまでにもあった。銀次(元楽天)の自主トレに外野手の具滋ウク(ク・ジャウク=サムスン)が参加。巨人・阿部慎之助監督の現役時代には「阿部捕手」に強い憧れを持つ朴世ヒョク(パク・セヒョク=現NC)が志願の弟子入りを果たしたこともある。
珍しい事例として、KBOチームのキャンプに日本の主力選手が参加したことがあった。現役時代の侍ジャパン・井端弘和監督(49)だ。08年1月、中日の井端内野手はグアムで自主トレを実施。同地で1月中旬に練習を開始したサムスン・ライオンズの春季キャンプに合流した。
「2月のキャンプインまでに体を仕上げたい」という井端が、かつて中日に在籍した宣銅烈サムスン監督(当時)に頼んでの合同練習だった。井端監督は32歳だった当時について「あの時のショートの朴鎮萬(パク・チンマン)が今、サムスンの監督をやっているのを見ると思い出しますね」と懐かしんだ。
あまり知られていない日韓選手の交流。今後「オフシーズンの練習パートナーが国際大会で対戦」ということもあるかもしれない。