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阪神・藤川監督 敵将に囲まれ戦闘モードにスイッチON 初の12球団監督会議、CS議論で「火が付いた」

スポニチアネックス 2025年1月21日 5時15分

 阪神の藤川球児監督(44)が20日、東京都内で行われた12球団監督会議に初参加し、開幕カードで激突する広島の新井貴浩監督(47)らライバル球団の指揮官が集う場で闘志に火を付けた。クライマックスシリーズ(CS)のアドバンテージに関する議論で、多くの監督が現行の1勝を維持することを支持。タクトを振る者として「戦うこと」と「勝つこと」という不変の鉄則を再確認し、戦闘モードに入った。

 新指揮官が戦闘モードに入るのにふさわしい時間と場所だった。濃紺のスーツに身を包んだ藤川監督の言葉により力がこもったのは、CSでのアドバンテージに関する議論を振り返った時。熱く意見が交わされたが、多くの監督が現行の1勝を維持することを指示したという。

 「ある監督からCSのアドバンテージが1(勝)ということが出た時に、ほとんどの監督さんが“それ(現行通り)でいいじゃないか”、やはり強いチームが勝つんだという意味では、僕も同じように心に火が付いた」

 レギュラーシーズン優勝チームにCSファイナルステージでは1勝のアドバンテージが与えられる。昨年は優勝の巨人を、8ゲーム差の3位で終わったDeNAがファイナルステージで撃破して日本シリーズに進出。日本一まで上り詰めた。シーズンでのゲーム差によってアドバンテージを増やすなどの議論が深まることはなく、他球団の監督の多くが「1勝維持」を支持。そこでは虎の新監督の闘志に火が付いた。

 「戦っている自分たちからすると、10ゲーム差離れていようが、離されていようが、目の前に来た相手チームと本気で戦うことが一番重要。本気で戦うことが大事」

 かくいう藤川監督も現行のルールに関しては「ノーアイデア」と変更を求めない立場だ。「勝たないといけない事実は変わらない。現場に下りた監督としては何ゲーム差で勝っていようが負けていようが戦わないといけない。6位だろうが1位だろうが同じ。監督というのは最後まで勝つ気でいなければいけない」。元々、持っていた「戦うこと」「勝つこと」という勝負の鉄則をかみしめた。

 この日はグラウンドではなく、テーブルを囲んでの議論の場。それでも、開幕戦の相手で、08~12年には阪神で同僚だった広島・新井監督や、昨季覇者の巨人・阿部監督ら、同一リーグでしのぎを削っていく敵将たちと顔を合わせると“スイッチ”が入った。

 「勝負の前に話すことはない世界観で(現役の時は)過ごしてきた。お互い持っているリスペクトと、スイッチの切り替えですから」

 ただひたすらに「勝つこと」を追い求める旅は、指揮官の中で既に始まっている。(遠藤 礼)

 ○…藤川監督は、日本ハム・新庄監督からハイタッチを呼びかけられたことを明かした。「ハイタッチしようね、とかおっしゃっていました」。昨季、新庄監督は試合前のメンバー表交換の際に相手チームの監督や審判団とハイタッチするのが定番だった。野球人口拡大を見据えたファンサービスの一環であることは藤川監督も承知しており「底辺にあるのは危機感だと思います。次世代のところではやるべきところが多い」と表情を引き締めた。

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