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楽天ドラ4・江原 鋼の心でケガに苦しむ選手の光に

スポニチアネックス 2025年1月21日 5時33分

 【25年版球界新士録(8) 楽天4位・江原 雅裕投手】3度の手術を乗り越え、あの日に夢見たプロのマウンドに立つ。福岡出身の江原はホークスファンの祖母に連れられ、幼少時から福岡ドーム(現みずほペイペイドーム)に通った。当時はダイエー(現ソフトバンク)。松中、城島の本塁打に歓喜し、守護神・馬原が9回に堂々と登場する姿に「凄く格好いい」と胸を躍らせた。「自分もあそこに立ちたい」。憧れが夢に変わるまで、時間はかからなかった。

 夢舞台への道のりは順風満帆ではなかった。高1の冬、高3夏の引退後、大学3年夏の計3度、右肘をクリーニング手術。投球再開まで半年のリハビリを要し、なかなかスピードが戻らない日々も続いた。それでも万全の状態に戻れば打者を抑えていたこともあり「ちゃんと投げられるようになれば、問題ない」と心が折れることはなかった。

 背負うものもある。今年の4月で所属していた「日鉄ステンレス」が日本製鉄と合併することで“消滅”する。「“日鉄ステンレス”という名前を背負う、唯一のプロ野球選手になります」と江原。ここまで成長をサポートし、プロへ送り出してくれた人々へ、結果で感謝を伝えるつもりだ。

 自身と同じ境遇のアマチュア選手にも伝えたいことがある。「なかなか(指導者に)言い出せないこともあると思うけど、ケガをしないに越したことはない。ケガをする前に、しっかりと自分でブレーキをかけることを伝えたい」。プロで活躍し、故障に苦しむ選手らの希望の光となる。(花里 雄太)

 ◇江原 雅裕(えはら・まさひろ)2000年(平12)8月3日生まれ、福岡県久留米市出身の24歳。小2で野球を始め、6年時にはソフトバンクJr.でもプレー。天理、国学院大を経て、日鉄ステンレスに入り、2年目の昨夏にJR西日本の補強選手として都市対抗に出場した。1メートル86、93キロ。右投げ右打ち。

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