◇12球団監督会議(2025年1月20日 都内ホテル)
会議で最も熱を帯びたのはクライマックスシリーズ(CS)についてだった。現行の実施方法のままでいいのか…。昨季にセ・リーグを制した巨人・阿部監督は「優勝したチームは日程が“ぽかーん”と空いちゃう。いろいろな課題がある」と疑問を投げかけた。
就任1年目の昨季に4年ぶりにV奪回もファイナルステージでDeNAに敗退。初戦はレギュラーシーズン最終戦から中13日で迎えた。同時期に宮崎県内で行われ、若手の成長の場であるフェニックス・リーグで調整した選手もいたが、真剣勝負の緊張感はなく、長距離移動もあり「選手のケガのリスクも上がる」と懸念する。2位の阪神は中8日、3位のDeNAは中5日でファーストステージに突入し、毎年のように勝者には勢いがつく。
メジャーではポストシーズンの日程に柔軟に対応しているが、プロ野球は12球団の本拠地のうち屋外が6球場。梅雨の時期もあり、日程消化に差が出る。現在はダブルヘッダーを実施しておらず、シーズン終了を合わせるのが簡単ではない。
中日・井上監督は優勝チームに与えられる1勝のアドバンテージについて「貯金を15も20もしているチームが優勝した。3位に滑り込んだチームは、下手したら貯金は1個しかない。例えばぶっちぎりで勝ったらアドバンテージは3勝とか」と持論を展開。昨季は貯金2でリーグ3位だったDeNAが日本一まで駆け上がり「いろいろシステムがあってもいい。優勝の価値をもうちょっと見てあげても」と一石を投じた。
07年スタートのCS。監督、選手、ファンの全てが納得するため、議論の余地はある。(青森 正宣)
≪リクエスト制度も阿部監督改革案≫巨人・阿部監督は、現在のリクエスト制度についての改革案も示した。「(リプレー映像を見て)アンパイアだけで判断している。例えば記録員を入れるとか、“第三者機関”でやってもいい。専門の人を置いておく、でもいいのかなと」と私案を披露。「(実現すれば)審判が助けられる時もあるかもしれない。将来的でいいので、検討していただければ」と希望した。