TBSは20日、タレントの中居正広(52)を巡る女性トラブル報道を受け、中居が出演する同局レギュラー番組「中居正広の金曜日のスマイルたちへ」(金曜後8・57)を打ち切ることを発表した。数々の名企画、名場面を生み出した長寿番組の打ち切りに、番組ファンから惜しむ声が上がっている。
「金スマ」は2001年10月スタートの長寿番組。当初は「中居正広の金曜日のスマたちへ」だったが、2016年2月から「中居正広の金曜日のスマイルたちへ」にタイトルを変更した。「金スマ波瀾万丈」や「ひとり農業」、「金スマ社交ダンス部」など数々の人気企画を生み出した。
「金スマ波瀾万丈」では、多くのゲストが生い立ちや芸能生活などの半生を振り返ってきた。2010年には近藤真彦のスポットライトを浴び続けた芸能生活の裏側に存在していた秘話に迫った。近藤は1986年に43歳で交通事故で亡くなった母親の美恵子さんのことを涙ながらに振り返り、翌87年に遺骨が盗まれ、レコード大賞の辞退を促す脅迫電話を受けたことも激白した。
2018年には「X JAPAN」のYOSHIKIが父親の自殺やメンバー2人の死、「X JAPAN」の結成や崩壊など壮絶な半生を告白。2007年の「X JAPAN」再結成という復活劇に至るまでの“生き様”を語り、多くの感動を呼んだ。新型コロナウイルスの感染拡大が続く20年にはYOSHIKIからの緊急スペシャルメッセージを加えた再編集を放送し、この時も大きな話題となった。
番組歴代最高視聴率を記録したのは、2016年5月放送のベッキー復帰回。不倫騒動で休業していたタレントのベッキーがこの放送で104日ぶりにテレビ復帰。「(友人関係を強調した1月の会見に)ウソはありました」などと赤裸々に語り、世間の注目を集め、平均視聴率は24.0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)の高数字を記録した。
24年の歴史の中で仲間との別れもあった。07年3月にはレギュラー出演していた飯島愛さんが芸能界を引退。飯島さんは翌08年12月に36歳の若さで亡くなった。その後は年内ラスト放送回のエンディングで飯島さんの追悼VTRをオンエアするのが恒例に。昨年末も「これからも見守っていてくださいね」と追悼した。
中居を巡っては昨年12月末に女性との間に起きたトラブルを高額な示談金で解決していたことが発覚。騒動となり、各局が直近のレギュラー番組の休止、差し替えを続々と発表。社員の関与が報じられているフジテレビの港浩一社長は17日に会見を緊急開催。一連の騒動を謝罪した。トラブルを2023年6月の発生直後に「認識していた」ことを明らかにした。今後は新たに設置する第三者の弁護士を中心とする「調査委員会」に調査を委ねるとした。