広島・内田湘大内野手(20)が21日、広島県廿日市市の大野練習場で自主トレを行い、2年連続で参加した広島OBのカブス・鈴木誠也との合同自主トレで、新打撃フォームを習得したことを明かした。昨季メジャーで21本塁打の“師匠”からの助言をもとに、無駄な動きをなくしたシンプルな打撃フォームを構築。打撃練習では、以前よりも打球の飛距離が伸びるなど成果も表れており、3年目の飛躍に向けて確かな手応えをつかんだ。
内田にとって、実り多き17日間となった。4日から20日まで、メジャーで活躍する鈴木に師事し、昨年に続いて沖縄県内で合同自主トレを敢行。その間に“師匠”の助言をもとに、打撃フォームの改造に着手した。
「誠也さんの助言で(打撃フォームを)シンプルにしました。自分はタイミングを取るのが苦手なので、シンプルに、無駄をなくしていけるようにした」
昨季はデビュー戦となったシーズン最終戦で初安打を記録。今季はさらに1軍出場機会を増やすべく、“誠也イズム”を吸収してきた。昨秋からノーステップ打法に取り組むなど、打撃フォームを試行錯誤してきたが、さらに新フォーム構築を推進。以前からタイミングを取ることが課題だったため、その克服に向けて無駄な動作をなくすことを意識し、スタンス幅を狭めた。
「タイミングのことだけを考えて、今は狭めて、(振りに)いくだけにしている。誠也さんからは常々“自分の感覚を大切にしなさい”と言われました」
新打法を体に染みこませるべく、打撃練習では長い時で4時間にわたってバットを振り続ける日もあった。たゆまぬ反復練習の成果もあり、手応えも感じ始めている。
「自分の中でしっくりきている。投手に対して(タイミングを)合わせられるようになってきたので、ミスショットが少なくなったと思いますし、タイミングが合うので、打球や飛距離を見ても、今のほうがいい」
グラウンド外でも学びがあった。鈴木と寝食をともにしたことで「栄養のことだったり、試合での考え方、練習での考え方が勉強になった」。自主トレを通して、多彩な引き出しを手にできた。濃密な日々を、結果に反映させるべく意気込む。
「誠也さんとやってきたことをしっかり継続して、より完成度を高めて、キャンプで、いい状態でいけるように頑張りたい」
鈴木は高卒3年目に97試合出場で頭角を現し、同4年目に29本塁打を放ってベストナインとゴールデングラブ賞など一躍ブレークを遂げた。将来の大砲候補として期待される大型内野手の内田も今年が高卒3年目。憧れの先輩の背中を追う。 (長谷川 凡記)