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躍進!!プレミアLの古豪ノッティンガムF 首位リバプールに1勝1分け 堅守速攻をベースに3位快進撃

スポニチアネックス 2025年1月22日 6時3分

 【蹴トピ】イングランド・プレミアリーグでノッティンガム・フォレストが躍進を遂げている。降格候補の予想もあった中、22試合を消化して優勝争いの一角を担う堂々の3位。1970~80年代に黄金時代を築きながら、3部転落も経験した古豪の再生にスポットを当てた。

 世界最高峰と言われるプレミアリーグの今季優勝争いで15勝5分け1敗と首位を走るリバプール。スロット監督の下で5季ぶりの王座奪回を視界に捉えた好調ぶりが際立つが、そんな強豪を相手に1勝1分けと勝ち越したチームがある。それがノッティンガムFだ。

 「一日一日だ。我々は何も成し遂げていない。何が可能か見届けるために最後まで戦う」とヌノ・エスピリトサント監督。浮足立った様子は見せないが、快進撃はサッカーの母国を沸かせている。

 24季ぶりのプレミア復帰から3季目。昨年9月14日の開幕4戦目に敵地でリバプール撃破という56季ぶりの金星を挙げると、堅守速攻をベースに12月7日のマンチェスターU戦から4戦連続完封を含む6連勝を達成した。

 年明けの14日に行われたホームのリバプール戦では連勝こそ止められたが、ボール保持率29%―71%、シュート数6本―23本と数字で圧倒されながら1―1で引き分け。敵将スロット監督を「彼らは運が良くて現在の位置(3位)にいるわけではない。ビルドアップで多くのリスクを冒さず、ボールを失えば11人で守る。ハードワークが持ち味でカウンターが強力でパスを回す質もある」とうならせた。

 サウサンプトンを破って8戦不敗(7勝1分け)とした19日の時点で消化が1試合少ない首位リバプールに勝ち点6差をつけられているとはいえ、2位アーセナルと勝ち点44で並ぶ堂々の3位。開幕前にはウィリアムヒル社で17番人気の1001倍だった優勝オッズもリバプール(1・25倍)とアーセナル(5・5倍)、マンチェスターC(29倍)に次ぐ4番人気の34倍と評価されるまでになった。

 1865年創設の古豪は名将ブライアン・クラフ監督の下で1977~78年シーズンにトップリーグ初優勝。78~79年、79~80年と欧州チャンピオンズ杯(現CL)で連覇を果たして黄金時代を迎えた。一方で2005年には欧州制覇クラブとしては史上初の3部降格。17年にギリシャ1部最多優勝を誇るオリンピアコスを保有する実業家エバンゲロス・マリナキス氏に買収されて息を吹き返した。

 プレミア復帰を果たした22年夏は1億6000万ドル(約250億円)を投じて1回の移籍期間ではリーグ史上最多の21選手を獲得。その後も続けた積極補強は即効性がなく、24年3月にはリーグの財務規定違反で勝ち点4の減点処分を受けたが、復帰直後の2季を16、17位で乗り切ると、23年12月に就任したヌノ監督の下で3年目の“収穫期”に入った。

 くしくも22試合で勝ち点44は、15~16年にレスターがオッズ5001倍から初優勝を決めた際と同じ。「謙虚に努力を続ける必要がある。そうすれば素晴らしい瞬間が訪れるかも」とポルトガル出身の指揮官。ただ、目の前の戦いに集中する。

 ≪復活支える鉄壁トライアングル≫

 復活を支えているのが守備力の向上だ。昨季4試合にとどまった零封の試合が今季は22試合で既に9試合。セットプレーからの失点がリーグ最多の22を数えた昨季の弱点を補うため、人件費削減の必要があったフィオレンティナから昨季欧州5大リーグ2番目の空中戦勝率を誇ったセルビア代表DFミレンコビッチを移籍金1200万ポンド(約23億円)の格安価格で獲得。加入2年目のベルギー代表GKセルス、ブラジル代表DFムリロとの鉄壁トライアングルが完成し、22失点はリバプール(20)、アーセナル(21)に次ぐ成績だ。

 コンパクトな守備からボールを奪うと、1メートル91のFWウッドが前線でボールを収め、自身も自己最多に並ぶ14得点を挙げる。マンチェスターU育ちのエランガ、チェルシー育ちのハドソンオドイら加入2年目のアタッカー陣も才能も覚醒させ、ここまで18試合で先制点を奪い、反撃に出た相手をカウンターで仕留める好循環。開幕前の目標勝ち点は“残留安全圏”の40だったが、16試合を残して44を稼ぎ、守護神セルスは「もう少し高い目標を見られる」と笑った。

 ▽ノッティンガム・フォレスト 1865年にイングランド中部のノッティンガムを本拠地に設立。FA杯を1898年、1959年に制した古豪でトップリーグ復帰1年目の78年にイングランド代表GKシルトンらを擁して初優勝。リーグ杯も初優勝で2冠を達成した。79年は欧州チャンピオンズ杯とリーグ杯の2冠。80年は欧州チャンピオンズ杯連覇、リーグ杯は89、90年に連覇した。ホームは1898年に開場した3万445人収容のシティー・グラウンド。

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