さらなる「輝き」へ視界良好だ。巨人・吉川尚輝内野手（29）が21日、川崎市のジャイアンツ球場で自主トレを公開。今年の漢字を「輝」と設定し、乱視矯正のためコンタクトレンズを新たに導入した。昨季はいずれも初の全試合出場、ベストナイン、ゴールデングラブ賞の飛躍。昨年末には結婚も発表した。心身とも充実して迎える9年目。リーグ連覇、そして12年以来の日本一への貢献を誓った。
吉川が色紙にしたためたのは名前にも含まれる「輝」の一字だ。「リーグ優勝、日本一になって輝けるように」と思いを込めた。
昨季はプロ8年目で一番輝いた。143試合に全て出場し、チームトップの打率・287。球界屈指の二塁守備でも4年ぶりのリーグ優勝の立役者になった。念願のゴールデングラブ賞にベストナインも受賞。それでも「日本シリーズに行けなかったことが悔しかった」と左肋骨骨折でCSファイナルSを欠場し、チームも敗退したことを真っ先に振り返った。
自らがさらに輝くことで優勝に近づくことを自覚し、「個人のタイトルよりも、チームが勝てるように頑張るだけ。優勝、日本一に尽きる」と繰り返した。「ジャイアンツでプレーすることは変わりない」と今季中に取得予定の国内FA権を待たずに結んだ3年契約で見せた巨人愛。打順は「任されたところでしっかり」と献身を強調し、「守備が一番の強み。チームを盛り上げられれば」と表情を引き締めた。
昨季までの裸眼から乱視矯正のためにコンタクトレンズを作成。初めは目を真っ赤にすることもあったが、「だいぶ慣れてきた」と軽快な動きを披露した。足にも変化がある。今季からアディダス社のスパイクを使用し、ポイントスパイクから金具スパイクに変更。負担が増える分、地面をつかむ「グリップ力」にたける。慣れるため自主トレで常に感覚を確認し、ノックやマシン打撃に励んだ足元はキラリと輝いていた。
昨年末にシンガー・ソングライターの足立佳奈（25）との結婚を発表。30歳を目前に守るべき家族が増え「より野球に集中していきたい」と責任感をにじませた。「一日一日しっかりやって、勝ちにこだわってやっていきたい」。連覇に不可欠な男。名前の通り「なおも輝く」準備に余念はない。（小野寺 大）