「落葉しぐれ」のヒットで知られる歌手の三浦洸一(みうら・こういち、本名桑田利康=くわた・としやす)さんが11日午前6時23分、老衰のため東京都港区の病院で死去した。97歳。神奈川県出身。告別式は近親者で行った。喪主は妻桑田節子(くわた・せつこ)さん。
日本歌手協会によると、2012年に引退後は悠々自適の生活を送っていたが、1年半ほど前から都内の病院に入院していた。
東洋音楽学校(現・東京音大)を卒業後、作曲家の吉田正さんに師事し、1953年に「さすらいの恋唄」でデビュー。
「落葉しぐれ」が大ヒットし「吉田学校の長男坊」として歌謡界をリード。春日八郎さん、三橋美智也さんとともに「御三家」と呼ばれた。
NHK紅白歌合戦には8回出場。64年に落選した時には所属のビクターレコードが「三浦を落とすならビクターの歌手全員が辞退する」と言ったほどの看板歌手だった。
正統派の歌唱で知られ、ほかの代表曲に「弁天小僧」「東京の人」「踊子」など。83~84年には「笑っていいとも!」(フジテレビ)にレギュラー出演し、お茶の間でも親しまれた。
2000年に日本レコード大賞功労賞を受賞した。