米国野球殿堂は21日(日本時間22日)、今年の殿堂入りメンバーを発表し、今月16日に日本でも殿堂入りを果たしたイチロー氏(51=マリナーズ会長付特別補佐兼インストラクター)が日本選手、アジア選手初の殿堂入りを果たした。デレク・ジーター氏らヤンキース関係者からも続々と祝福のコメントが寄せられた。
イチロー氏が12年から14年まで所属したヤンキースは、イチロー氏、ともに今回殿堂入りしたCCサバシア氏への祝福コメントを発表した。
2020年に野手過去最高となる99.7%の得票で殿堂入りをしたデレク・ジーター氏は「イチローは、対戦しながら常に尊敬していた選手だった。また、彼と一緒にプレーし、個人的なレベルで彼を知ることができて楽しかった。彼のユニークな能力、技術への努力、そしてフィールドでの一貫性は、他の追随を許さないものだった。彼は本当に唯一無二の存在だ」と称えた。
イチロー氏はこの日、MLBネットワークに出演し「ホール・オブ・フェイム(殿堂入り)は想像できなかった。MLBでプレーすることすらという議論があった。大変光栄です」などと話した。
また、夏の殿堂セレモニーで会いたい人を問われると「これは難しい質問です」としつつ「普段、マリナーズでユニホームを着て選手達と一緒にまだ練習してるんですけど、シアトルではない特別な場所、クーパーズタウンでケン・グリフィー・ジュニア、エドガー・マルティネス、この2人と会うことを凄く楽しみにしてます。それと久しぶりにジーターですね」とジーター氏の名前を挙げていた。
また、ヤンキースのハル・スタインブレナー・オーナーは「元ヤンキースの鈴木一朗が選出されたことは特に意義深い。クーパーズタウンにふさわしい」と祝福した。
ブライアン・キャッシュマンGMも「イチローがCCと同じ殿堂入りを果たしたことは、我々にとっても喜ばしいことだ。イチローが世界の野球界に与えた影響は計り知れない」と称え「彼は、このスポーツをプレーした選手の中で最もユニークな技術と才能を持った選手の一人」と紹介。「彼のキャリアパスがピンストライプにたどり着いたことは、信じられないほど幸運なことだった」とした。
そして「CCとイチローの偉大さは、野球を愛するすべての人々への贈り物であり、このような偉業を成し遂げた二人を祝福する」とコメントした。
イチロー氏が在籍中にヤ軍で指揮を執った元監督ジョー・ジラルディ氏も「イチローは打席でも、フィールドでも、ベース上でも、いろいろな意味でインパクトのある選手だった。ほとんどの右翼手が届かないボールを捕球したし、いつでも盗塁ができたし、状況次第ではホームランも打てる能力のある男だった」と振り返り「彼のバットへのコンタクト技術は誰にも引けを取らなかった。私が彼と対戦した時はリードオフ(先頭打者)として気を配る選手だった」と捕手出身らしいコメントを寄せた。