将棋で女性初の棋士を目指す西山朋佳女流3冠（29）のプロ棋士編入試験5番勝負の最終第5局が22日午前10時、大阪府高槻市の関西将棋会館で始まった。対戦相手は柵木幹太四段（26）。通算成績は2勝2敗で、勝てば合格、負ければ不合格の注目の一局となる。
編入試験は新人棋士5人と対局し、3勝すればプロの四段に昇段。3敗した時点で不合格となる。女流棋士として活躍する西山は第1局で先勝したが、その後は2連敗。後がなくなった第4局に勝ち、最終局に望みをつなげた。
西山は棋士養成機関「奨励会」の最高段位となる三段まで昇段したが、2021年に退会。女流棋士に転向した。
対戦相手の柵木は居飛車の本格派。西山との奨励会時代の成績は5勝0敗という“西山キラー”が、最終局で立ち塞がる。
午前9時44分、先に対局室に入ったのは柵木。西山が来る前から扇子を握りしめて盤をにらみ、集中を高めていた。その後53分に西山が黒のスーツ姿で入室した。
将棋のプロは棋士と女流棋士がいて制度が異なる。棋士になるには奨励会を突破するか、編入試験合格が条件となっている。