ドジャースとマイナー契約した佐々木朗希投手(23)が22日放送のNHK「クローズアップ現代」(後7・30)にVTR出演。25歳を待つことなく、大リーグ移籍を決断した理由が明らかになった。
「学生のときから割と早い段階からスピードボールを投げられて、その分、ケガと隣り合わせというか、いつ投げられなくなるかとか、そういう怖さと戦いながらやっていた」と佐々木。これまで語られなかったケガとの戦いを打ち明けた。
プロ1年目だった20年、開幕直前のシートバッティング。「右肘の肉離れをして、リハビリをしたんですけど、なかなか治りが悪くて」。これまで公にされてこなかった右肘のケガを明かした。病院などを回ったというが、「なかなか最後、治りきらなくて。従来のフォームだと痛くて全く投げられなかったので」と続けた。
ある医師にはトミー・ジョン手術を勧められたという。「プロ(の試合)で、まだ1球も投げてない段階でそういうふうに言われて。その中で、いつ僕が野球できなくなるとか、投げられなくなるとか、今出してるパフォーマンスが出せなくなるとか、本当に分からないなと思いました」。結局、肘の痛みからプロ1年目は登板なしに終わった。
迎えた21年。痛みはなくならなかったが、半年が過ぎてようやく痛みの原因が明らかになった。肩周りのコンディションがかなり悪いことが判明。疑われた内側側副じん帯損傷はなかった。そして、肘周りの神経が練習量の増加で炎症を起こし、痛みにつながっていることも分かった。
このケガの経験が、米挑戦への決断の要因になった。「1年目の肘のケガがあって、たった1球で覆されてしまう、そういう可能性もあるんだなということは本当に感じました。この先どうなるか分からない中で2年待つと言うよりも、今のタイミングでメジャーに挑戦して、成長していくというのがベストかなと」。胸に秘めていた思いを口にした。
「うまくいく可能性もあると思いますし、失敗する可能性もあるかもしれないですし。今この決断が正しいか正しくないかも、終わってみたときに分かることだと思う」と力を込めた。