【新潟・新戦力紹介(3)】1メートル85の長身とがっしりとした体格、シュートへの鋭い反応。GKとしての素質を備える田代琉我(26)が、最大の武器としているのがコミュニケーション能力だ。「プライベートの人間関係が良ければ、試合中、練習中のコミュニケーションにつながっていく」と力を込め、会話の中心にいる。
国士舘大時代に苦い思い出がある。めきめきと力を付けて先輩から先発の座を奪った時に「お互い意識しすぎて口数が減った時期が合った」。気が強い方で当時は互いに感情が表に出すぎて、ピッチを離れた時の関係も構築できていなかった。一つのポジションを争うGK陣も「グループでの一体感が大事。一人一人の取り組み方が変わる」ことから、さらに意思疎通を大事にするようになった。
ただ、新潟ではキャンプ開始から10日足らずで「完成しちゃったかな。逆に困っている。次の目標を決めないと」と早くもいい関係を築き上げた。特に同い年のMF長谷川とは仲を深め、19日のオフも一緒に過ごした。
攻撃参加の面でも自信をつけたJ2熊本では、正GKの座をつかんだ23年の天皇杯で4強入り。同年のJ1を制覇した神戸やFC東京を倒して「見える景色が変わった。この強度、クオリティーでサッカーがしたいと思わせてくれた」と転機の一つになった。小さい頃から憧れてきたJ1の舞台にたどり着き「ワクワクしている。待ち遠しくて仕方ない」と声を弾ませ、開幕戦でそのピッチに立つために技に磨きをかける。 (西巻 賢介)
◇田代 琉我(たしろ・りゅうが)1998年(平10)8月27日生まれ、神奈川県出身の26歳。小学5年からサッカーを始め、小学6年からGK。日大藤沢―国士舘大を経て21年に熊本に加入。J2通算77試合出場。シュートストップ、ハイボール処理が武器。1メートル85、88キロ。利き足は右。背番号は21。