日本民間放送連盟(民放連、遠藤龍之介会長)は23日、都内で定例会見を開催。会見後にはフジテレビの副会長として、タレント中居正広(52)の女性トラブルの調査、今後の同局のあり方について述べた。
遠藤氏が今回の一連の出来事について把握したのは、昨年12月中旬頃。「トラブルの本当の内容というのが私も含めて分かっていない。その前後の問題を聞いた」とし、言葉を詰まらせながら「非常にショックを受けました」と胸の内を明かした。
各企業のCM差し替えが相次ぐ現状に「どの段階まで広がっていくかは未知数」と遠藤氏。「甚大な被害だとは思う」と言葉を絞り出した。
「今回の話はいろんなテーマが含まれている。一番はガバナンスの問題。そのことに関して“NO”を突きつけられている現状。そこを立て直して、スポンサーやクライアントの信頼をもう一回獲得するためその道に進んでいく」と副会長としての考えを述べ、今後「“フジテレビは生まれ変わったんだな”と分かって頂けるような情報を外に出していかなくてはならない。実効性がなければ信頼していただけない。その二つを平行して行かなければならないと非常に厳しい」と目を細めた。
第3者委員会による調査が今後行われることもあり、自身の進退については「発言は控えさせていただきたい」と明言はしなかった。
遠藤氏は40分を超える会見で、記者一人一人からの質問に対応。時折、額に汗をにじませ、手で拭うそぶりもあった。
中居を巡っては昨年12月末に女性との間に起きたトラブルを高額な示談金で解決していたことが発覚。騒動となり、各局がレギュラー番組の終了や休止を発表。22日にフジテレビの「だれかtoなかい」(日曜後9・00)の終了が発表されたことで、騒動前に6本あったテレビとラジオのレギュラー番組が消滅した。
社員の関与が報じられているフジテレビの港浩一社長は17日に会見を緊急開催。一連の騒動を謝罪し、トラブルを2023年6月の発生直後に「認識していた」ことを明らかにした。今後は新たに設置する第三者の弁護士を中心とする「調査委員会」に調査を委ねるとした。一部では女子アナ“上納”飲み会と報じられているが、「懇親の場を持つことはある。でも、週刊誌報道にあるような性的接触があるとかそういったことは全くないと私は信じております」と話した。
中居はこの日に芸能界引退を発表。「全責任は私個人にあります」とし、「これだけたくさんの方々にご迷惑をおかけし、損失を被らせてしまったことに申し訳ない思いでなりません。そして、改めて、相手さまに対しても心より謝罪申し上げます」と謝罪した。「関係者各位の皆さま、ご迷惑をおかけしました。重ねて、お詫び申し上げます。大変、大変申し訳ございません」と記した。
遠藤氏は、フジテレビの元社長。現在は同局の副会長を務めている。