◇大相撲初場所12日目(2025年1月23日 両国国技館)
【二所ノ関親方 真眼】初日から3連敗した霧島の姿を見て、この快進撃を誰が予測したでしょうか。2敗の王鵬戦。好調な相手の圧力に負けることなく、しっかり受け止めて押し返しました。先手を取ってから右上手を取り、王鵬を横向きにさせる理想的な攻め。動きの良さも評価できますが、まずは圧力負けしなかったこと。そこに尽きます。
どちらかといえば相手に合わせて対処するスタイルで、自分の形を持っていないのが霧島。そのぶん、いい時と悪い時がはっきり出やすいと分析しています。今場所も序盤は悪い霧島が出た感じですが、いったん流れをつかむと勢いがついて9連勝。元大関の実力は侮れません。
金峰山が敗れたことで優勝争いは大混戦になりました。上位との対戦を終えている霧島は、経験豊富で連勝の勢いがあります。金峰山との直接対決も残しており、がぜん目が離せない存在になりました。(元横綱・稀勢の里)