新たな怪物候補が、ベールを脱いだ。オリックスのドラフト3位・山口(仙台育英)が、新人合同自主トレで初めてブルペン入りした。高校時代から「朗希2世」と称された18歳右腕が、本家をほうふつさせる豪快な投球フォームを披露した。
「思ったより体が動いて、球もしっかり走っていた」
左足を高く上げるフォームの原点は中学時代。3年時には既に身長は1メートル90だった。「オリジナルを大事にしている。よく佐々木選手に似ていると言われますけど、そこまで参考にしているとかはない」。スリークオーター気味のフォームから放たれる球は、威力抜群だ。この日は約6、7割の力感で捕手を立たせた状態で直球のみを30球。試運転ながらボールを受けた稲富ブルペン捕手は目を丸めた。
「(オリックスの)マチャドみたいに下から上に浮き上がってくるような球。山下(舜平大)が入ってきた時ぐらい凄い球の強さで、高卒と思えない。怖いぐらい」
東北の高校出身で大型右腕など佐々木との共通点も多い。特技は「ハンバーグ作り」という未完の大器が、早期デビューを狙う。(阪井 日向)
◇山口 廉王(やまぐち・れお)2006年(平18)5月14日生まれ、東京都出身の18歳。練馬区立田柄第二小1年から田柄ボーイズで野球を始め、多賀城市立高崎中では宮城北部リトルシニアに所属。仙台育英では2年秋からベンチ入りし、エースの3年夏は宮城大会準優勝で甲子園出場なし。1メートル93、97キロ。右投げ右打ち。