女性トラブル騒動の渦中にあるタレントの中居正広(52)が23日、芸能界から引退すると発表した。ファンクラブ向けサイトなどで「本日をもって芸能活動を引退いたします」と報告した。トラブル発覚から約1カ月。「(芸能活動を)支障なく続けられることになりました」とコメントしてから2週間。会見することなく表舞台から消えていくことに「無責任」と批判の声も上がっている。SMAPの元メンバーにも衝撃が走った。
正午前、突然の発表だった。ファンクラブ向けに「少しでもお先にご報告」とし引退が告げられた。「これまでに携わらせていただきましたテレビ各局、ラジオ、スポンサーの皆さまとの、打ち切り・降板・中止・契約解除等に関する会談がすべて終了」したことで、この日の報告になったとした。
「あらゆる責任を果たしたとは全く思っておりません。今後も(中略)誠意を持って対応して参ります。全責任は私個人にあります」と説明。「ヅラ」の愛称で呼んでいたファンには「こんなお別れで、本当に、本当に、ごめんなさい。さようなら…」とメッセージを送った。
直後に所属事務所「のんびりなかい」の公式X(旧ツイッター)のアカウントが削除された。事務所は残務処理が終わり次第、廃業する。
関係者によると、親しい仕事仲間には前日22日に「申し訳ない」などと謝罪した上で引退することを報告していた。最後のテレビ出演は、昨年12月30日放送のテレビ東京「芸能界オールスター草野球2024」となった。
本紙の取材では、女性トラブルは2023年6月に発生。被害女性は「性被害を受けた」と訴えている。不祥事をきっかけにした国民的アイドルの引退劇は芸能史上でも極めて異例。流れを決定づけたのは、今月9日に発表した謝罪文の「(女性と)示談が成立したことにより、今後の芸能活動についても支障なく続けられることになりました」のコメント。これに対し、被害女性はネットメディアの取材に「私の人生は元には戻らない、それだけです…」とし、批判がより強まった。
一方、編成幹部のトラブル関与が報じられたフジテレビにも批判が殺到。昨年末、同局は「一切関与していない」と完全否定。港浩一社長(72)が17日に記者会見を行ったが、75社以上の大手企業が次々とCMを中止。トラブルを把握した後、中居を1年6カ月にわたって出演させ続けたことも非難され、局存続の危機に陥っている。
そんな中、会見も開かず引退する中居。「無責任」と指摘する声が上がった。制作会社関係者は「トラブルを巡って守秘義務があることは分かります。でもそれ以外のことで話せることはあったはず。トラブル後もテレビ出演を続け、文書で“全責任は私個人にある”としているんですから、その責任を果たしてほしい」と憤った。フジテレビ関係者は「9日の謝罪文で中居さんは“トラブルに当事者以外の関与はない”としている。この話だけでもしてくれれば、フジの状況は変わるのに…」とぼうぜんとした。
14歳で事務所に入所し芸能生活37年。SMAPのリーダー、NHK紅白歌合戦の司会――誰もが知る国民的スターとなった中居が表舞台から消えた。