全日本柔道連盟(全柔連)は24日、昨年12月に国際柔道連盟(IJF)が発表した新ルールに関するオンライン説明会を開いた。
主な変更点は、2016年まで存在していた「有効」の復活や、組み手の禁止事項の一部緩和。全柔連の大迫明伸審判委員長(64)は「現在はゴールデンスコアや指導(反則)による決着が多い。本戦の間にポイントで勝負が決することを目指して」と狙いを説明した。
有効の復活については「技ありの幅が広すぎる問題があった」と指摘。限りなく「一本」に近い「技あり」から、体側が着いただけの「技あり」までが同じポイントとなっていたため「浅い技ありは是正される」と解説した。
組み手では、袖口や裾口をつかむことが一部指導の対象外に。下半身(帯より下)への攻撃はこれまで全面的に禁止されていたが、臀部(でんぶ)など足の付け根付近まではつかむことが認められた。ベアハグ(抱きつく行為)も一部緩和。背中側の胴着や帯をつかめばセーフで、レスリングのクラッチのように手首や手を組んだ場合は指導の対象となる。また、場外への「押し出し」は場外に出た側が指導を取られていたが、今後は取らないという。
これらの新ルールが日本選手にとって有利に働くか不利に働くかについて、大迫審判委員長は「見てみないと分からない」と言及せず。「大きな影響は出そう」と話すにとどめた。