近畿のラスト1枠で夢の甲子園が実現した。小林昌彦校長が「甲子園の女神は滋賀短にほほえみました」と選手に報告。09年創部の滋賀短大付(滋賀)に吉報が舞い込んだ。保木(ほうき)淳監督(39)、森伸文主将(2年)も春夏通じて初の聖地に胸を躍らせた。滋賀からの2校選出は17年以来8年ぶり2度目の出来事だ。
滋賀大会準優勝で昨秋に初めて近畿大会に出場。初戦の相手は大阪を制した履正社だった。「勝てば大金星。負けたって評価は落ちない。思い切ってやろう」という保木監督の言葉に、選手たちは気持ちをひとつにして臨み、1点差を追う6回に北島朔太郎内野手(1年)の2点二塁打などで逆転。4―1の勝利という番狂わせを演じていた。
次戦で天理に敗れたが、堂々の8強。だが、選抜については地域性などもあり、ボーダーラインと見られていた。保木監督も「可能性は低いが、ゼロじゃない。決まるまで冬もしっかりレベルアップに取り組もう」と5日の初練習で訓示し、個々の筋力、瞬発力アップに取り組んだ。そして、この日、履正社に勝った試合内容が評価され、甲子園切符をたぐりよせた。専用グラウンド、寮はなく、一方で携帯も男女交際も自由。明るくノビノビと聖地に向かう。
保木監督は「ウチは32番目のチーム。でも出て終わりじゃない。滋賀短旋風を起こそう」とゲキ。大阪・枚方から1時間以上をかけて通学し、チームをまとめるとともに、普通科特進コースで学年トップに成績を収める森主将も「本当にうれしい」と夢舞台を心待ち。近畿大会でもベンチ入り20人中、14人が160センチ台というチームが、湖国から甲子園に新風を吹き込む。