◇プロボクシング 東洋太平洋&WBOアジア・パシフィック・ウエルター級タイトルマッチ 2冠王者 佐々木尽(八王子中屋)<12回戦>(2025年1月24日 東京・有明アリーナ)
ウエルター級の東洋太平洋とWBOアジア・パシフィックの2冠王者、佐々木尽(23=八王子中屋)が前日本同級王者・坂井祥紀(34=横浜光)を3-0判定で破り、東洋太平洋王座2度目、WBOアジア・パシフィック王座5度目の防衛に成功した。戦績は佐々木が19勝(17KO)1敗1分け、坂井が29勝(15KO)15敗3分け。試合は世界4団体スーパーバンタム級タイトルマッチ、井上尚弥(31=大橋)―金芸俊(32=韓国)のセミファイナルで実施された。
左右の大きなフックを振るう佐々木に対し、ガードを固めた坂井がカウンターを狙う展開。佐々木がガードの上からでもフックを叩きつけ、ボディーも交えて攻め続けると、ベテラン坂井も接近戦でのアッパー連打や隙を突いてのワンツーなどで対抗した。
4回には坂井が右目の上をパンチでカットしたが、5回終盤には連打でロープへ追い込み、8回には右カウンターをヒットさせるシーンも。佐々木も空振り構わず前進し続け、9回にはノーガードで“来いよ”と挑発。11回には右フックを利かせてから左の連打で坂井を後退させ、最終回は激しい打ち合いで終了ゴングを聞いた。ジャッジ3人の採点は116-112、117-111、118-110でいずれも佐々木を支持した。
佐々木はかねて日本人初のウエルター級世界王者を宣言。WBOとIBFで3位、WBCとWBAで4位と世界ランク入りしており、井上尚弥の前座は世界挑戦アピールの場だった。ESPN+で全米生配信された試合後、佐々木は「坂井祥紀選手、めちゃ強かった。本当にありがとうございました。倒せるかと思ったが、倒せなかった」とあいさつ。スマホの画面を見ながら、英語でウエルター級世界王者たちの名前を上げて「Let's Have A Fight!」と今年の対戦をアピールした。
18年8月にプロデビューした佐々木は、20年12月にスーパーライト級の日本ユース王座を獲得。21年10月、日本&WBOアジア・パシフィック同級王座決定戦で平岡アンディ(大橋)に11回TKO負けしてプロ12戦目で初黒星を喫したが、23年1月に豊嶋亮太(帝拳)に1回TKO勝ちしてWBOアジア・パシフィック・ウエルター級王座を奪取。23年7月に左肩の手術を受けてブランクをつくりながら、24年5月の復帰戦では東洋太平洋王座も獲得していた。