新潟Lは25日、エディオンピースウイング広島で三菱重工浦和と皇后杯決勝を戦う。24日は大阪で最終調整を行い、決戦の地・広島市へ移動した。INAC神戸時代に6度の皇后杯優勝の経験を持つMF川澄奈穂美主将(39)は、新潟に初タイトル、そして幼なじみのMF上尾野辺めぐみ(38)に悲願の皇后杯を掲げさせようと必勝を期した。
いよいよ決戦の時が来た。PK戦にまでもつれ込んだ18日の日テレ東京Vとの準決勝からちょうど1週間。川澄主将は「ここまで積み上げたものがあったからこそ決勝に行けた。決勝は自分たちの強みを生かして一戦必勝です」と覚悟を示した。
今週は、準決勝で120分間フル出場し、駅伝選手並みの約17キロを走ったMF杉田を筆頭に、疲労回復を優先させた。その中で川澄は「私は71分(で交代)だったので大丈夫。決勝は誰よりも走れる」と話しており、コンディション面に不安はない。
INAC神戸時代に過去6度の皇后杯優勝の経験を持つ。「勝ち続けるチームは勝者のメンタリティーというか、それは勝つことによってしか感じ取れないものがある」という。昨季、チームはWEリーグ杯決勝で広島にPK戦の末、敗れたが「タイトルの懸かった試合を若い選手が経験できたのを強みにしていかないと。あの時の悔しさをぶつけよう、と試合前に話そうと思っているし、勝って自信をつけていくことが大事」と今度こそ頂点に上り詰めるつもりだ。
新潟は皇后杯で過去4度、川澄が当時所属していたINAC神戸に敗れて涙をのんでいる。幼なじみで、新潟一筋19年のMF上尾野辺があと一歩でタイトルを逃してきたのを知っているだけに、川澄は「今度は一緒のチームで日本一になりたい」と思いを口にする。「個人的にもメグ(上尾野辺)にはタイトルを獲ってもらいたい。私が新潟に来た時に掲げた“新潟にタイトルを”にはカッコで“メグにも”って入っているんです。決勝こそそういう思いを出して戦っていいと思う」
23年7月。川澄は「地球3個分、新潟に来てほしい」という上尾野辺の熱烈オファーを受けて移籍を決断した。決勝は何としても勝って、盟友と2人で皇后杯を高々と掲げる。
○…大阪での最終調整を終え、橋川和晃監督監督は「決勝に向けた練習の立ち上がりでは体の重い選手もいたが、うまく調整できてしっかり動ける体になってきた」と話した。WEリーグを連覇している女王・三菱重工浦和との対戦に「赤い高い壁を自分たちのサッカーで乗り越えて、こじ開けていきたい。新潟にタイトルをという思いは一緒なので、怖がらずに勇敢に戦いたい」と必勝を誓った。