将棋の藤井聡太王将(22)に永瀬拓矢九段(32)が挑むALSOK杯第74期王将戦7番勝負(スポーツニッポン新聞社、毎日新聞社主催)は24日、京都市伏見区の伏見稲荷大社で第2局の対局場検分を行った。京都開催は60年ぶり。藤井の先勝で迎え、先手は藤井。
伏見稲荷大社を初めて訪れたという永瀬の表情に屈託はない。正式参拝を終え、千本鳥居での記念撮影後は場内に点在するきつね(稲荷大神様のお使い)の石像を興味深く眺めながら対局場検分へ。「事前に調べてはきたのですが、実物は凄い。なんというか、迫力を感じます」と、インバウンド観光客さながらに感激の面持ちだ。
快調に攻めながら手痛い逆転負けを喫した開幕局は分析済みで「修正点は見つかりました。全体を通して集中力に欠けていた。集中力の水準を高めて臨まなければ」という。
検分では対局室や控室での飲料を「冷やした状態で」と、細部にこだわる永瀬らしい意向も。快活な口調の合間に、後手番の不利をはね返そうとする深い気概がにじみ出ていた。