◇大相撲初場所13日目(2025年1月24日 東京・両国国技館)
東三段目32枚目の大斧(だいまさかり、19=追手風部屋)が西三段目7枚目の千代大豪(26=九重部屋)を破って7戦全勝で三段目優勝を決めた。
三段目6戦全勝でこの日を迎えたのは、大斧と大皇翔(22=追手風部屋)の2人。同部屋のため直接対決は組まれず。直前に大皇翔が1敗の野田(19=藤島部屋)に敗れたため、大斧は勝てば優勝、敗れれば最大12人での優勝決定トーナメントにもつれ込むという状況だった。「自分は自分の相撲のことだけを考えて、思い切りやるだけだった。後のことは考えず、絶対に今日で決めてやろうと思った」。幕下中位経験者の千代大豪を相手に、頭四つで動きが止まった状態から先に前に出ておいての引き落とし。目の前の一番に集中した。
デビュー6場所目で各段優勝は初めて。先場所は負け越しも経験しているだけに、ここまでの出世を「自分的には遅い」と振り返る。「もっと押す力、圧力をつけたい。(優勝は)うれしいけどここからが勝負なので、ここで喜んでいては上がれない」と気を引き締めた。
同じ埼玉県出身で埼玉栄高の先輩でもある関脇・大栄翔(31)の内弟子。身長1メートル67で「小さいので下から押す相撲を取れとずっと言われてきた」と突き押しに徹している。目標とする力士は大栄翔と元大関・貴景勝(現・湊川親方)。2人の大先輩の背中を追い「早く関取になれるように、毎日努力して頑張ります」と誓いを新たにした。
◇大斧 亜矢翔(だいまさかり・あやと)本名=斧澤亜矢斗(おのざわ・あやと)。2005年(平17)5月1日生まれ、埼玉県入間市出身の19歳。入間少年相撲クラブで小2から相撲を始め、黒須中3年時に全国中学生選手権(元日相撲)32強。埼玉栄高に進学し、3年時に関東大会100キロ以上級優勝、国体ベスト16。同郷で高校の先輩でもある大栄翔の内弟子として追手風部屋に入門。2024年初場所初土俵。1メートル67、147キロ。