プロボクシング世界スーパーバンタム級4団体統一王座の3度目の防衛に成功した井上尚弥(31=大橋)が25日、横浜市内の所属ジムで一夜明け会見を開いた。
24日に東京・有明アリーナで行われた4団体王座の防衛戦で、WBO11位の挑戦者・金芸俊(32=韓国)に4回2分25秒KO勝ち。当初の挑戦者サム・グッドマン(オーストラリア)の負傷による興行の1カ月延期や直前の相手変更などトラブルずくめの一戦を終え、「精神的にきつかった。どの試合よりもどっと疲れが出た」と明かしていた。
大橋ジムの大橋秀行会長は「超満員のお客さんが来てくれた。ファンあってのボクシングだと改めて感じた」と振り返り、「あまり驚かず微動だにせず、そこは凄いと思った。ハートが一番モンスターだと改めて思った」と井上の強さを再認識したと明かした。
次戦は4月か5月に米ラスベガス開催が確実で、相手はWBCスーパーバンタム級1位のアラン・ピカソ(24=メキシコ)が決定的。さらに、約30億円とされる巨額スポンサー契約を結んだ「リヤド・シーズン」の一環で、秋にはサウジアラビアでWBA同級暫定王者ムロジョン・アフマダリエフ(30=ウズベキスタン)との統一戦が有力視される。前夜に米興行大手トップランク社のボブ・アラムCEOらと話したという大橋会長は「おそらく次はラスベガスでピカソ選手、次はアフマダリエフ選手。で、もう1つは決定じゃないですけど…」と断った上で、「サウジアラビアからもよく言われていることだが、フェザー級に上げてニック・ボール選手と戦ってくれというのがあるので、フェザー級に上がって(ベルトを)獲って」と、1試合だけフェザー級に上げてWBA同級王者ニック・ボール(27=英国)へ挑戦する計画を披露。「そのあとはまた戦うべき相手がいるので、スーパーバンタムに落とすという。決まりではないですけど、一応そういう選択肢もあると話している」と、階級を戻してからの現WBCバンタム級王者・中谷潤人(M.T)とのビッグマッチを示唆した。
井上は「会長がおっしゃっていた3選手はどの選手も強いですし、自分もホントに気の抜けない戦いになる」と表情を引き締めたが、フェザー級挑戦については「まだまだ落とせる幅がある。今フェザー級でやっても、戦える体はでき上がっている」と自信を示した。