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【玉ノ井親方 視点】優勝争い金峰山に勢い 王鵬が左を差し食い止めたら 巴戦なら豊昇龍に分がある

スポニチアネックス 2025年1月25日 20時2分

 ◇大相撲初場所14日目 ○王鵬(突き落とし)隆の勝●  ○金峰山(すくい投げ)霧島●  ○豊昇龍(寄り切り)尊富士●(2025年1月25日 両国国技館)

 優勝争いは3人に絞られた。

 金峰山は霧島に両まわしを許す苦しい展開だったが、懐の深さを生かして、相手が前に出てきたところを右からすくい投げた。突き放して取る相撲だけではなく、組んでも取れる幅の広さを見せつけた一番だった。投げも強烈だった。

 霧島にすれば悔いの残る相撲だったろう。左で上手を取ったところで休まずに攻めていけば、展開も変わっていたはず。攻めが遅れたことで、相手に立て直す余裕を与えてしまった。

 金峰山はこれから右を差して、左でまわしを取る相撲を磨いていけば、強力な武器になるはずだ。

 隆の勝を下して優勝争いに生き残った王鵬は、右を差され押し込まれた。ただ、見た目ほど危ない相撲ではなかった。後退しながらも、相手の突進をかわして、うまく回り込んだ。土俵際で逆転の突き落としを見舞うことができたのも、それだけ動きに余裕があった証拠だ。

 今場所は相手の動きをよく見て、落ち着いて取っている。懐も深く、体も柔らかいから、押されても土俵際でしのぐことができている。粘り腰が出て、簡単に負けなくなった。

 豊昇龍は立ち合いからの攻めが厳しかった。右で張って、すぐにもろ差しになり、一気に前に出た。完ぺきな相撲だった。

 スピードもあって、自分の形になるまでの流れに隙がなかった。優勝経験者の尊富士に対し、大関と平幕の格の違いを見せつけるような一番だった。

 千秋楽の取組を予想するとすれば、金峰山と王鵬はお互いに立ち合いから突き放していく展開になるだろう。勢いは金峰山にあると思うが、それを食い止めて王鵬が左を差す形になったら面白い。

 金峰山が敗れて巴戦になったら大関に分がある。

  (元大関・栃東)

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